気づいてみたら、親の言葉や態度に一喜一憂して、自分の人生を生きてこなかったと言って後悔の念を吐露する人たちはたくさんいました。親の依存を受け入れていたことに気づき、じつは心の中は虚しさでいっぱいだったとおっしゃる相談者は少なくありません。
親を傷つけないようにと我慢して支配を受け入れる
子どもは自己犠牲をする他にも、罪悪感や恐怖心が非常に強くなっていきます。罪悪感や恐怖心が強くなると自立的な行動ができなくなって、支配されやすくなるという現象が起こります。
− 親の言うとおりにしていないと、悲しませてしまいそうで安心できない
− 親と同じように考えられない自分は無価値で無能な人間だと思っている
常に自己批判が多くて、将来を楽観的に考えられません。なにか不具合があれば、まず自分自身を疑い責めます。
「あのときのあの発言が気分を損ねたのか?」とか「あれをしたから嫌われたに違いない」なんて思い込み、自分自身を否定してばかりいます。
そうすると、常に親や周囲の人たちの顔色ばかりを気にするようになり、誰からも何も言われていないのに批判されているような気になってしまい、やりたいことを我慢してあきらめ、やりたくないことを一生懸命にやろうとするようになります。
そうやって、自分の気持ちとは裏腹の態度を親に見せて、いつでも従い続けて、親が子どもの領域に侵入してきても気づかず、むしろ招き入れてしまうという状態を作ってしまいます。
子どもも成人して年齢を重ねると、恋愛や結婚などの機会を迎えるときもあるでしょう。
そんなときによく起こることは、親が『どんなステータスの相手と結婚するか、どこに住むか、どんな生活をしていくのか』について介入しようとしてくることです。
子どもの罪悪感や恐怖心が強ければ、介入される前に親が認めそうな人を探し、親が許してくれそうなところに住もうとし、結婚後も日々どんな生活をしているのかについて逐一報告を入れるなんてことをしている人は結構いるものです。
また、すでに子どもが熟年と呼ばれる年代となり、親も高齢となっていても、まだ親から自立できないというケースもたくさんあります。
たとえば、本当は親と関わることに苦しさを感じているのに、介護を求められると断ることが申し訳なく感じて、「子どもの役目だから」と自分に言い聞かせて世話をしているというケース。
その他には、親と一刻も早く離れたいのだけれど、距離を取ったら何をされるかわからず怖くて、嫌々ながらに親の命令に従い続けているというケースもあります。
このように、あたかも自分のほうから親に支配されようとしているとき、本心を押し殺して支配され続けているなども、罪悪感と恐怖心が強い人によく見られることです。
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