マクドナルドが「人材の多様性」を最重視する理由 J&J出身の日色社長が取り組む「働き方改革」の要諦

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

小室:これから法改正が起きそうな、「勤務間インターバル制度」についても教えてください。前日の勤務を終えた時間から翌日の勤務開始までを11時間あけなくてはならない「勤務間インターバル」は、EUでは全ての国で批准されています。日本においても2019年に制度を導入することが事業主の努力義務となっています。業界によってはすでに義務化が決定していて、自動車運転者は9時間の勤務間インターバルが義務化されました。医師も2024年から9時間の勤務間インターバルが義務化されます。

日色:弊社は12時間の勤務インターバルに取り組んでいます。全国の店舗に勤務するアルバイト「クルー」は19万人、社員は2346人(2021年12月現在)がマクドナルドに在籍しており膨大な数のシフト管理が必要なのですが、12時間以上あいていないとシフト作成時に警告が出るようになっています。

小室:さすがグローバル企業とあって労働時間はシビアに管理されているのですね。弊社でも「朝夜メール」という勤怠管理システムを開発して、300社に導入しているのですが、11時間の勤務間インターバル時間が毎日グレーアウトして表示され、そこには仕事の予定を入力できないようになっています。

朝9時前には会議を入れない。7時間睡眠!

日色:ちなみに僕は、朝は9時より前に会議を入れないようにしています。早朝から、となると秘書や関係者はさらに早い時間から準備しなくてはなりませんし、仕事への準備運動ともいえる朝時間は自分なりに有効活用したい気持ちもありまして。

小室:素晴らしいですね! 日色さんにお会いするたびに、ハツラツとした姿が印象的で、お仕事はもちろん日々の生活も充実されているのが佇まいからうかがい知れます。ご自身もしっかり睡眠を取られているのですね。

画像をクリックすると公開中の連載記事一覧にジャンプします

日色:23時に就寝して6時に起きるのが日課で、毎日7時間睡眠を確保しています。そして早寝早起きの妻と早朝からラジオ体操に励んでいます。子育てが一段落して妻と出かける機会も増えたんですよ。小室さんもよくおっしゃっていますが、大切なのは睡眠、適度な運動ですよね。「アルコールは控えめに」は、たまに守れていません(笑)。

小室:ご夫婦でラジオ体操! さらにお出かけもよくされるのですね。理想の夫婦関係ですね。書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)にも書かれているように、認知症を予防するうえで重要なのは、睡眠と「家族からのポジティブな感情の伝播である」そうですよ。それを両方持っておられる日色さんだからこうもハツラツとしておられることがよくわかりました。本日はありがとうございました。

日色保・日本マクドナルドホールディングス社長兼CEO 小室淑恵・株式会社ワーク・ライフバランス社長
(撮影:今井康一)
小室 淑恵 ワーク・ライフバランス代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こむろ よしえ / Yoshie Komuro

1000社以上の企業へのコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げる「働き方改革コンサルティング」の手法に定評がある。安倍内閣産業競争力会議民間議員、経済産業省産業構造審議会、文部科学省中央教育審議会などの委員を歴任。「朝メール.com」「WLB組織診断」等のWEBサービスを開発し、1000社以上に導入。「WLBコンサルタント養成講座」を主宰し、1100名の卒業生が全国で活躍中。 私生活では二児の母。『プレイングマネージャー「残業ゼロ」の仕事術』『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社』等著書多数。最新刊は『男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる』(PHP新書、2020年9月17日発売)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事