マクドナルドが「人材の多様性」を最重視する理由 J&J出身の日色社長が取り組む「働き方改革」の要諦

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日色:会社も社員もwin-winの関係になれるのだと。勉強になります。

遊軍の「サポート店長」が店長代理として発動

小室:育休から復帰された従業員の方々をどのようにサポートしておられますか。

日色:まず、フレックス制度や時短勤務制度を取り入れています。育休から復帰すれば、あたかもその日からフルタイムで働けるものだと期待する人がいて、本人も「時短勤務をしたい」と言い出せないといった実情がありました。そこでフレックス制度を導入しました。働く人のライフスタイルに合わせて、朝は遅めに出勤してお昼のピークタイムにバリバリ働いてアイドルタイムになると早めに帰宅するなど。

小室:育休からの復帰時に無理をしてしまい、結局辞めることになってしまう、といったことも防げますね。

日色:それと店長は一部で導入しているテレワークを使えば、夕方から自宅で働くといった選択肢もあります。

小室:飲食店の店長がテレワークできるというのは画期的ですね。店長には実は集中して片付けてしまいたいデスクワークが結構ありますからね。

日色:また近年は、「サポート店長」と称する特定の店舗に属さない店長をエリアごとに設けています。介護をされている方もいますので「親の調子が悪くて1カ月介護に専念したい」なんて申し出があれば、経験のある「サポート店長」が代理で店長業務を1カ月間担います。

小室:まさに「誰が休んでも回る職場づくり」を実践されているのですね。そうした組織はコロナ禍でも強い組織といえそうです。

日色:感染者が出た際も、対策が練れますからね。サポート店長は現在パイロット運用している段階ですが、社員の評判がとても良いです。

小室:私の古巣の資生堂も育児期のスタッフが育児に専念できるよう、店頭活動のお手伝いをする「カンガルースタッフ」が活躍しています。仕事と育児を両立させるためのサポートが充実しているのも企業の強みですよね。

日色:マクドナルドの店舗の7割がフランチャイズですので、オーナーや、パートナー企業の皆さんにも、ダイバーシティについてより深くご理解いただきたいと考えています。

小室:大切なのは、ダイバーシティを推進するメリットを率直にお伝えすることではないでしょうか。メリットが感じられれば、自分たちも取り組んでみようと前向きに検討するはずですから。

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