このように考えているのは、チャンドラセカランだけではない。貴重な時間をできるだけ有効に活用する方法については、ハーバード・ビジネス・スクールのセダール・ニーリー教授のアドバイスが有益だ。ニーリーによれば、仕事の世界で会議が過剰になっている原因は、「口頭によるコミュニケーションこそ最良のコミュニケーションだ」という思い込みにあるという。
制限時間を決めた「立ったまま」会議
会議をするときは、「どのようなコミュニケーションの形式を採用すべきかを明確に意識する必要がある」と、ニーリーは指摘する。全員が同じ空間に集まって情報交換する必要が本当にあるのか。その情報を伝達するには、リーンメディア(テキストベースのもの)が最も適しているのか、それともリッチメディア(言葉以外の要素も含むもの)が最も適しているのか。
たとえば、インスタントメッセージは、同時型(みんながいっせいに参加)でリーン(テキスト中心)なコミュニケーションに適している。そのため、シンプルな連携を行うには理想的な手段と言える。
一方、対面やビデオ会議システムによる口頭での会話は、同時型でリッチなコミュニケーションという性格を持つ。それゆえに複雑な連携と交渉に適している。
マイクロソフト、IBM、TCSなどのソフトウェア企業は、「アジリティ(機敏性)」重視のプロジェクトマネジメントの方法論を実践し始めた。たとえば、たいてい立ったままで行う「スタンドアップ・ミーティング」を導入している。
TCSでバーチャルな連携を支える要素のひとつが、毎日定例のバーチャル版スタンドアップ・ミーティングだ。この会議は多くて15~20人程度の少人数で行い、毎日15分話し合う。
「会議を短時間にとどめることにより、意図が明確になります。この場で、メンバーは前日にうまくいったこと、うまくいかなかったことを話します。また、その日対処すべき緊急課題についても議論します」と、同社の幹部たちは言う。
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