子を寝かしつけながら「漫画を爆読み」私の育児道 「出産したら自分の時間がなくなる」は本当か

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出産したら自分の時間が無くなってしまうの?と思っていたら意外な「お楽しみタイム」が(写真:kouta/PIXTA)
出産したら自由に飲みに行ったり、好きなバンドのライブに行ったり、旅行に行ったりできなくなり、すべてを子どもに捧げなければならない――。そんな不安を抱えながら出産した会社員兼ライターのしりひとみさんですが、実際に子育てをしてみると、意外な「お楽しみタイム」ができたといいます。本稿ではしりひとみさんの近著『ママヌマ~ママになったら沼でした』より、子どもを産んで「得た時間」について紹介します。

母になることは自分の人生を捨てること?

出産したら、人生をすべて子どもに捧げなくてはならない。そんな話をよく耳にしてきた。SNSを見れば、「産後は自分の時間が持てない」「土日も体は休まらない」「自由がない」「まるで牢獄に入れられた囚人のよう……」などと恐ろしい言葉が並んでいて、子どもを産むと人権がなくなるシステムなのかとゾッとしてしまう。そんな世論に長く浸かっていたせいか、いずれは子どもがほしいと思う一方で、母になることは自分の人生を捨てることのように思えて、私は怖くて仕方がなかった。

だから妊娠がわかったとき、まず私がやったことといえば「出産までにやりたいことリスト」を書くことだった。「今のうちにやりたいこといっぺーやるぞ!」と悟空みたいなテンションで、ものの2分で書き上げた。リストに並んだ箇条書きの文章を眺める。

映画を見に行く。好きなバンドのライブに行く。高級コース料理を食べる。カラオケに行く。美容院に行く。旅行に行く。スタバの新作を飲む。キッチンの油汚れを掃除する。漫画をいっぱい読む。来年の紅白出場者を予想する。ガサガサのかかとをなめらかにするパックをやる。美文字になる。英語の歌を歌えるようになる。竹野内豊さんのことだけを考える時間を設ける。性格を明るくする。面白いダジャレを言えるようになる(「元気モリモリ! モーリーロバートソン」など)。

最後のほうに意味わかんないやつが入っているが、ぜんぶ、子どもが生まれれば気軽にできなくなりそうなことばかりである。しかし産休に入った途端に「緊急事態宣言」で外出自粛を余儀なくされ、結局家でだらだらしながらTwitterを開いたり閉じたりするという駄日(だび)を過ごしていたらあっという間に子どもが生まれてしまった。

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