子を寝かしつけながら「漫画を爆読み」私の育児道 「出産したら自分の時間がなくなる」は本当か

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これは完全に個人差がある話だと思うが、私にとってはむしろ、子育てを始めてからのほうが「娯楽」を楽しむ時間が増えていて、それがほどよくストレス発散になっていると気づいた。たとえば、子どもの寝かしつけ中は格好の漫画タイムである。なんなら最近では「寝かしつけ」じゃなくて「漫画お楽しみタイム」と心の中で呼んでいる。

うちの息子は寝かしつけに時間がかかるほうで、だいたい1時間は抱っこをして体を揺らし続けなければならない。しかもその間、延々と子守唄を歌い続けないと泣くという、喉に負荷のかかるハードモードな赤ちゃんである。

しかしその1時間、ずっと子どもに集中しているのかといえば、まったくそんなことはない。自分の体にもたれかからせ、片腕でしっかりと息子を抱く。もう片方の腕で背中を支えつつ、使っていない手先でスマホをがっつり見ている。

この片手スマホで、私は『ゴールデンカムイ』30巻、『宇宙兄弟』40巻、『ブラックジャックによろしく』128話、『ブルーピリオド』11巻、『凪のお暇』9巻など、話題になっている最新作から過去に読んで面白かったものまで、とにかく漫画読みまくりライフを送っている。

漫画に集中すると子守唄の歌詞はおろそかになって、たとえば童謡の『ひげじいさん』にはたくさんのじいさんが出てくるはずなのに最後まで一貫して「ひげじいさん」1人しか登場しなかったりするが、子どもからすれば抱っこされて何かしら歌われていればどんなじいさんでもOKなので、多少の歌詞間違いはよしとしている。

片手スマホで貪欲に楽しむ

同じ要領で、YouTubeで好きなバンドのライブ配信を見たり、TV番組の配信サービスを使ってドラマを1話も欠かすことなく見たり、SNSを眺めたりしながら、日々の寝かしつけを気楽にこなしている。こなしている、という感覚もまた違う。普通に、夜の時間を過ごしている。

子どもが生まれてから、気軽に飲みに行けなくなったのは事実としてある。しかし当時は、新型コロナウイルスの影響で国民全員が気軽に飲みに行けない状況だった。子育て中の自分だけでなく、全員が我慢しているという状況も、私の心を軽くしている気がする。

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