コロナ収束で出社を強要する企業が陥る落とし穴 「働き方のトレードオフ」の解決が緊急課題

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在宅勤務をする女性
「在宅疲れ」? 働き方は元どおりになるのか(写真:ワタコ/PIXTA)
新型コロナウイルスは世界的に収束する傾向にあるが、このパンデミックがもたらした大きな変化の1つに、企業リーダーの意識変化がある。
ロックダウンや在宅勤務に伴って、一般社員と同じようなストレスや重圧を身に染みて経験した多くのリーダーは、社員の境遇を初めて理解するようになったと、『ライフ・シフト』著者のリンダ・グラットン氏は指摘する。
最新刊『リデザイン・ワーク 新しい働き方』ではそこから一歩進んで、氏はリーダーが社員の働き方改革の先頭に立つべきだと、主張する。

リーダーが一般社員の苦労に気づいた

新型コロナのパンデミックをきっかけにして、私たちの働き方は大きく変わりつつある。

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その要因の一つが、新しいデジタルテクノロジーのおかげで機動性が高まり、企業の官僚的な体質が打破されたことである。組織が人々のニーズや意向の変化に応えて変革を実行するまでの「時差」が解消されたのだ。

要因は、それだけではないように思える。企業のリーダーたちの発想が変わり、働き方を変革したいという動機が強まった面もありそうだ。

コロナ禍により、一般の働き手の身になって考えられるリーダーが増えているように見える。たとえば、仕事と家庭を両立することの難しさに理解を示すリーダーが多くなった。

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