初心者でも「1人ラン」満喫できる音楽選びのコツ イヤホンを使うときは安全なコースを選ぼう

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この範囲の安定したピッチで走っているときはランニングフォームに無駄がなくなり、より楽に走ることができるのです。逆にピッチが速くなったり遅くなったりすると、その都度走りにブレーキがかかったり急加速になってしまい筋肉に余計な負担がかかります。

ランニング上級者は長年のトレーニングにより、安定したピッチで走り続ける能力を身につけています。一方の初心者は安定したリズムで走ることが苦手なランナーが多いと思います。初心者ランナーでも音楽のリズムに助けてもらうと走りやすくなるのです。

175BPM前後の音楽がおすすめ

リズムを基準に音楽を選ぶことができたら、175BPM前後の楽曲を選んで聞きながらジョギングしてみてください。音楽としてはかなりハイテンポなので探すことが難しければ、半分に割った87~88BPMのものでも同じように楽に走れます。このときは、片足が着地したときにリズムが合うようになります。

アップルミュージックやスポティファイなどの定額ストリーミングサービスでは、ランニングに特化したプレイリストもありますのでお勧めです。

走るリズムが安定したら、呼吸のリズムも気をつけてみてください。

吸う回数と吐く回数は自分が楽だと思う方法で構いませんので、着地をするタイミングと吐く呼吸がピッタリ合うようになるとさらに楽に走れるようになります。たとえば、“素早く吸う→素早く吸う→しっかり吐く”を、「スッ、スッ、ハー」のような感じで繰り返します。

音楽を聴きながら走るときのイヤホンには注意してください。

なかでも、周囲の音が聞こえなくなるノイズキャンセル型のイヤホンを使って公道を走る場合、車やバイクが近づいてくる音が聞こえないので事故に巻き込まれる危険があります。

音楽を聴きながら走るのは公園内のランニングコースだけにするなど、確実に安全な場所を選ぶことをお勧めします。

ところで、日常のトレーニングではなくマラソンのレース中に音楽を聞きながら走っているランナーもたくさん見かけます。フルマラソンでは5時間以上も走り続けますが、沿道の応援もエイドステーションもお祭り的な要素もあるので「飽きる」という点においては日常とは違うと思います。

以前、市民ランナーにレース中に聞く音楽についてインタビューしたことがあります。

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「レース前の緊張をとるためにリラックスする音楽を聞いている」「前半はいつも力みがちなので自分の走りに集中できる音楽を聞いている」「30キロを過ぎて脚がつらくなったときに元気をもらうパワーソングを聞いている」

という回答でした。ちなみに、パワーソングで一番人気だったのは、ZARD「負けないで」でした。サビのフレーズはまさに最後の力を振り絞って走るランナーに向けた歌詞そのものですね。読者の皆さんもそれぞれのパワーソングを見つけて走ってみてはいかがでしょうか。

金 哲彦 プロランニングコーチ

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きん てつひこ / Tetsuhiko Kin

早稲田大学在学中4年連続で箱根駅伝5区(山登り)を走る。卒業後、リクルートランニングクラブの選手を経て、後にコーチ・監督に就任。有森裕子、鈴木博美、志水見千子、高橋尚子らオリンピック選手を指導。現在は市民ランナーからオリンピックランナーまで幅広く指導する、NHK BS1『ランスマ倶楽部』でお馴染みの プロ・ランニングコーチ。テレビやラジオの駅伝・マラソン中継の解説者としても活躍、東京オリンピックや世界陸上オレゴン大会でも陸上競技の解説を担当した。ランニングに関する著書は多数。

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