転職するなら「外資系企業がおすすめ」納得の理由 「ヘッドハンター×大学教授」転職対談:前編
植田:実際問題、60歳を超えてからの人生がどういうものになるかは、それまでのサラリーマン人生と密接にかかわってくるので、「人生100年時代」が現実味を帯びてきた今の時代は、早い段階で第二の人生について準備を始める必要があると思っているのです。
大手外資系では人事制度が「フェア」に運用されている
植田:そのうえで、選択肢として外資を転職先としてすすめるのには、いくつかの理由があります。
中でも、まずは人事制度がフェアであることが重要なのではないかと感じています。日本に進出している外資系企業というのは、本国ではかなり大きな会社です。中途採用や解雇など、その大きな企業で長年運用されてきた人事制度の中に取り込まれるので、アンフェアな取り扱いを受けることが少ないのです。この外資大手の安定感は、転職経験の薄い人には魅力的なはずです。
ただし、外資系といっても日本での歴史が長く、何千人もスタッフを抱えているところは、中身はほとんど日本企業に近くなっています。忖度文化もはびこっているし、妹尾さんのおっしゃる「修羅場」を経験するダイナミズムに欠けるかもしれません。
「修羅場」を求めるのであれば、先ほども言ったとおり、コンサルティングファームやインベストメントバンク(投資銀行)へ行くのがおすすめですね。特にインベストメントバンクでは給与体系が成果給なので、ものすごい金額のボーナスをもらう人もいますが、成果が出なければすぐクビになってしまうので、毎日が修羅場です。
妹尾:確かにおっしゃられるとおりですね。私も外資系のファームにいた時間が長いのでよくわかります。
日本では「外資=クビ切り」というイメージが蔓延っていて、雇用の安定性がないというイメージがあります。たしかにそういう会社もあります。
でも、植田さんがおっしゃるように、大手であればグローバルな人事制度の下に入ることになるので、ある意味でフェアな評価を受けることができる。こういったことは、意外と知られていませんよね。
この件に限らず、日本の方は外資系企業の実態について、あまり詳しくは知らないように思います。中には、大きな誤解をされている方も少なくないようなので、次回はこの点をテーマにお話を進めていきましょう。
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