奨学金「すぐ返せる」指摘はなぜ時代遅れなのか 今の時代、国公立でも授業料は決して安くない

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B:それを言うと看護師も同じですよ。うちは3人きょうだいで、大学1年生と中学1年生の弟がいるんですけど、2人とも中高一貫の私立学校に通っています。だから、特に貧乏というわけではないんですけど、私が進学したかった医療系の私立大学は、学費が高いこともあって、親にお金の面で負担をかけたくなかったから、修学資金を申し込んだんです。弟も国立大学に進みましたが、やっぱりみんなちょっとでも親の負担を減らしたいと思っていたのでしょう。

C:真面目な家庭ですね。私は成績とかは気にせず、通学可能な範囲で、1、2番目に学費の安い学校を選びましたよ。

A:それも、選択肢としては間違いではないのでは?   自分も国立大学だけど、ギリギリ家が近かったから、「たまたま国立という選択肢があった」ぐらいですよ。

コロナによってキャンパスライフに変化は

千駄木:まだ、4人とも大学と専門学校に在籍中ですが、コロナによってキャンパスライフは変わりましたか?   もはや、「代返」なんて言葉は通用しないですよね。

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A:自分は理系なので、学業がとにかく忙しいです。実験が週に2回あって、実験結果が出るのに時間がかかるので、拘束時間がとても長いんです。「朝から夕方までずっと実験」みたいな日が週に2回はあって、しかも、その2回の実験ごとにレポートを提出する必要があります。だから、1週間のうちどこかは徹夜になるか、毎日深夜1時まで、実験のレポート作りに必死です。

B:私も3年生の秋から、4年生の夏頃までは毎日、指定された病院での実習でした。忙しいのは別に構わないのですが、アルバイトができないのはキツかったですね。別に禁止されているわけでもないのですが、コロナもありますし、実習がある平日は夜も寝られないくらい忙しいんですよね……。

だから、仮にバイトができたとしても週末になるのですが、せめて休みの日ぐらいは遊びたいじゃないですか(笑)。でも、そういうときに、遊ぶためのお金がないのがツラいです。

千駄木:最近の学生さんと接していて思うのは、みんなすごく真面目ということです。授業もしっかり出ていて、サボったりなんかしていない。だからこそ、生活が苦しくなりがちなんだと思います。授業料は高くなっているのに仕送りは減っていて、なのに授業はしっかり出ていているわけですから。少なくとも、昭和の「奨学生」のイメージとは変わっているのは間違いないですね。(後編はこちら

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。奨学金を借りている/給付を受けている最中の、現役の学生の方からの応募も歓迎します。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。編集者としては「驚異の陳列室『書肆ゲンシシャ』の奇妙なコレクション」(webムー)なども手掛ける。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。毎月、南阿佐ヶ谷トーキングボックスにて「ライターとして食っていくための会議」を開催中。

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