奨学金「すぐ返せる」指摘はなぜ時代遅れなのか 今の時代、国公立でも授業料は決して安くない

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A:僕としてはむしろJASSOから給付型奨学金をもらっているCさんがスゴいと思います。JASSOの第一種奨学金ですら、最近は申請が通りにくいというのに……。あと、ぶっちゃけ国立大学の学費も、今は私立大学とそんなに変わらないですよね。親世代は「国立の学費は安い」というイメージだから、いざ自分の入学書類を母親に渡したときには金額を見て驚かれちゃいました。

千駄木:補足すると、国立大学の入学金と授業料は、文部科学省が「標準額」を定めていて、各大学はこの金額の上限20%以内に設定する必要があるんです。現在、この標準額は入学金で28万2000円、授業料で53万5800円となっている。つまり、多くの国公立大学は初年度に80万円以上かかるわけで、もはや学生のアルバイトで賄うのは難しい状況です。もちろん大学独自に授業料減免・免除の制度も用意されていますが、平均的な収入のある世帯だとその恩恵には与かれないんですよね。

奨学金ときょうだい構成の関係性

千駄木:みなさん、それなりの金額の奨学金を借りられているようですが、一人暮らしはDさんだけで、残りの3人は実家通いなんですね。連載では「3人以上のきょうだい」の人がかなり多くを占めるのですが、きょうだい構成はどんな感じでしょう?

A:僕は 3人きょうだいの長男で、一番下の弟はまだ小学生。そして、母子家庭で母は正社員ではなく、ずっとパートだから奨学金は必須でした。

C:私も幼い頃に父を亡くしたので、母子家庭で3人きょうだいの長女。そんな家庭環境だから、本来は高校に通うことすら困難だったのですが、部活動で高校に推薦入学できたんですよ。それで、なんとか高校を卒業できたので、そこから今はスポーツ・トレーナーという夢を叶えるために、理学療法士を養成する専門学校に通っています。

B:でも、専門学校とはいえ、医療系の学校ってどこも学費高くないですか?   私が通っている私立の医大の授業料は年間160万円だから、とてもじゃないけど、奨学金を借りても払いきれません。

C:そうなんですよ!   だから、私の場合は給付型の奨学金と、授業料が半分免除になる制度も利用しています。専門学校は3年制とはいえ、3年間で入学金と授業料を合わせて500万円程度。教材費もバカにならないから、総額で600万円近くかかるんですよね。理学療法士は社会にとって、必要な仕事のはずなんだけど……。

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