奨学金「すぐ返せる」指摘はなぜ時代遅れなのか 今の時代、国公立でも授業料は決して安くない

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大学生は奨学金をいくら借りている?

千駄木雄大(以下、千駄木):みなさんは時期的に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と同時期に大学に進学し、一斉休講やオンライン講義などを経験した、これまでに例を見ない世代です。今回はそんな大学・専門学校に在学中のみなさんに昨今の奨学金事情や、将来の返済に関する心配事などを語り合ってもらえればと思います。早速ですが、みなさん、それぞれ奨学金はいくらぐらい借りているのでしょうか?

A:僕は日本学生支援機構(以下、JASSO)から、第一種奨学金(無利子)を月額4万5000円借りています。大学には自宅から通えるため、その場合の限度額が年間54万円なんですよ。大学を卒業する頃には借りた金額も216万円近くに達するのですが、このご時世なので大学院進学も考えています。修士課程2年でも、大学とほぼ同額をまた借りることになりそうなのは憂鬱です。

B:私は毎月5万円で、4年間で合計240万円借りる計算になります。ですが、厳密に言うと貸与型や給付型の奨学金ではなく、大学卒業後に何年間か指定の病院に勤務すれば、奨学金の返済が免除される「看護奨学金(以下、修学資金)」なんです。要は大学と病院が奨学金で私の学費を肩代わりしてくれるということですね。この制度のありがたいところは、4年間指定の病院で働くことができれば全額返済不要になることです。

C:私は専門学校生ですが、ほかの大学生たちと同じようにJASSOから、毎月4万円の給付型奨学金をもらっています。

D:僕は大学2年生のときから、とある財団から給付型奨学金を毎月5万5000円をもらっています。順調にいけば、卒業までに200万円ほどもらう計算です。さらに、それに加えて第二種奨学金(有利子)を毎月12万円借りています。

C:え、給付型を毎月5万5000円もらってるのに、利子付きの奨学金を12万円も借りないといけないんですか?   私立大学はやっぱり、お金がかかるんですね……。

D:東京の私立大学に進学すると、学費とは別に生活費や家賃もそれなりにするから、これぐらいかかっちゃうんですよ。でも、やっぱりその分、都会でしか味わえない経験もあるから、必要経費だと思い込むようにしてますね。

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