反対に、フォロワーから企業アカウントに対して質問や問い合わせといったコミュニケーションがとれるのもSNSの特徴です。質問が来た場合にはどのような回答をするのか。そういった場合も想定して、ルールを決めたり体制を整えたりしておくことも大切です。
SNSを活用したマーケティングを実施する場合、KPI(重要業績評価指標)をどのように設定すればいいのかわからず悩んでいるという相談を受けることがあります。これは非常に難しい問題です。なぜならKCI(重要コントロール指標)やKRI(重要リスク指標)といったさまざまな指標を含めたうえで、総合的な観点から設定する場合がほとんどだからです。
企業規模、業種、商品種別など、状況によりさまざまなので、包括的に語ることはできません。そのため、自社が何を目的にしたいかで、一貫性と柔軟性をもって決めるのがよいでしょう。認知を広げるのが目的であればリーチ数を目標にしたり、申し込み数を増やしたいのであれば自然流入やクリック数を目標にしたり。目的達成の導線として必要な数字を見極めることが重要です。
一時期は、「とにかくフォロワー数を増やせばいい」という認識を持つ企業が多かったように感じます。ですが近年は、そういった考え方は下火になっています。なぜなら以前は、例えばInstagramであれば、フォロワーが1万人いないと使えない機能などがありましたが、最近はそういった制限はほぼありません。また、フォロワー数の増加と最終的なコンバージョン率の増加の相関性が、それほどないということも認知され始めています。
そういった数値よりも、顧客になってくれそうな質の高いお客様を増やしていくことが重要です。そのためには、今フォローしてくれている人は何を目的に自社のアカウントをフォローしてくれているのかを、しっかり理解していくことがポイントです。
お客様の声とどう向き合うか
お客様が自社のどこに魅力を感じてくれているかを認識するためには、SNS上でアンケート調査を行うなど、双方向性を生かした施策がおすすめです。ただ、すべての新規顧客が自社のSNSアカウントをフォローしてくれているわけではありません。
そのため、自社アプリの利用者やWEB会員にメールでアンケートを実施するなどの調査も効果的です。その際、どの程度の人がSNSでも自社ブランドを認知しているのか、ブランドに対してどのようなイメージを持っているのか、といった項目を入れておくと、SNSマーケティング戦略を立案するうえで参考になります。
このようにお客様の声に耳を傾けることは、マーケティング戦略において非常に重要です。SNSに投稿された顧客の声を社内で共有して、マーケティングや商品企画の参考にしている企業もあります。ただし、これは諸刃の剣であることも認識しておきましょう。
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