「子どもの写真」をSNSに載せるのは法的にNG? 「肖像権」「プライバシー権」の侵害になりうる

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また、親が子どもの写真や私生活上の事柄につきSNSでの公表をやめ削除したとしても、親が削除する前に別の第三者の投稿により公表され、ネット上で拡散してしまうことがありえます。

ネット上で拡散してしまった場合、親がSNSでの公表をやめ削除するということだけでは解決しないことがあります。その場合は、別の第三者による投稿による公表について、削除請求等の法的手続きをとることが必要になります。

削除請求は、SNS運営会社やサイト管理者に請求をして削除されればよいですが、削除されない場合には、裁判所に対し仮処分の申し立て(投稿記事削除仮処分命令申立)等をする必要が出てきます。裁判所への申し立てでは法的な主張を行う必要があるため、弁護士に相談することをおすすめします。

子どもが危険にさらされる可能性もある

肖像権やプライバシー権の話から少し離れますが、親が子どもの写真や私生活上の事柄をSNSで公表することは、第三者が自宅の場所、子どもの活動範囲、所属する学校等を特定するきっかけとなる可能性があります。

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写真を拡大すると、電柱の住所表示、特徴的な形の交差点や道路等、特定するだけの材料が存在することが多いためです。

子どもが危険にさらされる可能性を小さくするためには、SNSで公表をする場合には、スタンプで隠す、トリミングをして周囲の画像を消す等の対応が必要になってきます。

会社が従業員採用時に選考する人の氏名をネットやSNSで検索する等、現在でもネット上のデータは活用されていますが、今後、ネット上のデータはますます重視されていくと思われます。

SNSは多くの人とつながることができメリットも非常に多いものですが、SNSで公表した内容がネット上で一人歩きし、どう利用されるかわからないという怖さもあります。

SNSで子どもの写真や私生活上の事柄を公表する場合には、肖像権侵害やプライバシー権侵害の可能性をはじめとして、公表による影響を一度考えてみるよう心がけることが、子どもを守ることにつながると思います。

宮川 舞 銀座数寄屋通り法律事務所 弁護士

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みやがわ まい / Mai Miyagawa

東京弁護士会所属。会社間の紛争を中心に、訴訟を多く手掛ける。また、『名誉毀損の慰謝料算定』(学陽書房)の執筆陣に名を連ねるなど、名誉・信用・プライバシー・肖像・パブリシティの侵害に関わる研究や事案に造詣が深い。弁護士による誹謗中傷対策 弁護士宮川舞公式サイト

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