SNS投稿で娘にストーカー呼び寄せた父の後悔 元刑事が教える、親子で知るべきリテラシー
とある親子の話です。
娘の高校の入学式当日、一緒に家を出た父・母・娘。そこで、父が記念に娘の写真をパシャリ。「今日は娘の入学式~早いもので高校生になりました!」とFacebookに投稿しました。
しかし、その写真をきっかけにその娘さんは、ストーカー被害に遭うことになります。娘さんは、父親がFacebookに自分の写真を投稿していたことも知りませんでした。
Facebookでその写真を見た誰かが、ダウンロードして転載し、最終的にはかわいい女子高生をまとめた掲示板サイトにまで掲載。
そのサイト内で、「特定班」と呼ばれる人たちによって、背景に写った景色、制服などから撮影場所に当たりをつけられ、使っている電車の路線や生活範囲を割り出されていったのでした。
このように、被害者本人ではなく、家族や友人などの第三者の投稿によって、危険にさらされる(自分が誰かを危険にさらしてしまう)、ということは起こりうることなのです。
今の時代は、「自分は気をつけてるから大丈夫」という考えも、「自分はSNSをやらないから平気」という理屈も通用しません。友人・知人までは無理でも、少なくともいちばん身近な家族には、この記事をお読みになった皆さんが、SNSのリテラシーを伝えていっていただきたいのです。
誰でも見られる公開設定は、リスク大!
では、先ほどのような例において、SNSでどんな点に気をつけていればよかったのでしょうか。
まず言えることは、SNSに投稿する際の公開範囲の設定です。
安全面から論じれば、個人情報を含む投稿をするアカウントにおいて、鍵をかけていないのは非常に危険です。いくらでも情報をのぞき見することができ、悪意のある人間がその気になって複数の投稿をつなぎ合わせれば、個人情報を特定される危険も大きい。
例えば、まとめサイトで見つけた制服やユニホーム姿の写真から学校や部活を特定し、そのうえでSNSで検索をかけて狙った子やその友達のアカウントを特定。特定したアカウントのほかの投稿に、電柱・マンホール・店舗のわかるコンビニの写真・特徴的な建物……といったものがあれば、かなり情報は絞り込めます。
加えて言えば、別の投稿に「近所で雷が落ちた」「停電した」「××川が決壊するかも。近いから怖い」「人身事故で電車止まった」といった内容がもし見つかれば、気象情報や電力会社のサイト、川の流域と使用路線のぶつかる駅などから、一層エリアを限定できてしまう。
あとはその近辺で待ち伏せされてしまえば、危険はすぐ身近に迫ってくることになるのです。
もちろん、こうした個人情報を特定できる投稿をしないことが、そもそものポイントとして重要です。
ただし、気をつけていたとしても、無意識のうちに無防備な投稿をしている場合が多いもの。やはり公開範囲の設定はおろそかにできません。
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