SNS投稿で娘にストーカー呼び寄せた父の後悔 元刑事が教える、親子で知るべきリテラシー

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すると、次第に制服や学校指定のジャージ写真をアップしている子、学校の略称を投稿文に入れている子などが複数見つかり、その子に「いいね!」をした人の多くが同じ高校の生徒であることがわかりました。ここで、対象者もおそらく同じ高校であると推測します。

続けて、もっとヒントはないかと対象の子のページに戻り、過去の写真をさかのぼっていくと、友達からの「××はほんといつもかわいい♥」というコメントを見つけました。こうして面識もない人に学校と名前までバレてしまったわけです。

先程、鍵アカウントでも油断は禁物、とお伝えしましたが、だからといって、鍵をしても意味がない(鍵をしなくていい)というわけではありません。

この「いいね!」のケースも、自分の投稿を友達限定の公開にしていれば、見ず知らずの人物が、その「いいね!」をたどることはできなかったでしょう。

同様の理由で、SNS上での自分の友達・フォロワーリストを公開設定にしているのも危険です。これも「いいね!」と同じように、友達リストから各ページを捜索し、同じ会社の人が多い・同じ県の出身者が多いなどと、あなたの個人情報に迫られる原因となります。

投稿内容に気をつけるのはもちろんですが、安全面の対策としては、何よりもまず、友達限定までの公開設定にすること・不用意に見ず知らずの人の友達申請を承認しないことを忘れてはいけません。

スマホリテラシーは、親もアップデートが必要

いかがだったでしょうか? お子さんのいる方は、わが子のSNSが心配になった方もいるかもしれませんし、反対に自分の投稿が家族を危険にさらしていないかと不安になった方もいるかもしれません。

『あなたのスマホがとにかく危ない~元捜査一課が教えるSNS、デジタル犯罪から身を守る方法~』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかし、これだけ便利で大人がビジネスでも使っているスマホを、子どもには使わせない、と禁止することはこれからの時代にはナンセンスです。

避けられないからこそ目を背けずに、自分だけでなく家族ぐるみで、スマホ・SNSへのリテラシーを身に付けていただきたいのです。

そのセーフティーラインを理解し、子どもや老親を導くためにも、親世代は自分自身をアップデートさせてスマホの知識についていかなければなりません。

スマホに潜む危険というのは、SNSの問題だけでなく、セキュリティーロックの設定、不適切動画やデジタルタトゥーの問題、巧みに誘導される詐欺サイト、個人情報を狙う危険なフリーWi-Fi、子どものスマホ管理の問題等々、多岐にわたります。

こうしたことに対処するために、このたび『あなたのスマホがとにかく危ない~元捜査一課が教える SNS、デジタル犯罪から身を守る方法~』という本を上梓しました。ぜひ皆さんも身近な危険をチェックしてみてください。

佐々木 成三 元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課・警部補

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ささき なるみ / Narumi Sasaki

1976年、岩手県生まれ。デジタル捜査班の班長として、デジタル証拠の押収解析を専門とし、埼玉県警における重要事件において携帯電話の精査や各種ログの解析を担当した。また、捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、被疑者の取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当として数多くの実績を挙げた。2017年、「事件を取り締まるのではなく、犯罪を生まない環境を作りたい」という思いから埼玉県警を退職。現在は、TV番組にコメンテーターとして多数の番組に出演するほか、学生を犯罪リスクから守ることを目的に設立された「一般社団法人スクールポリス」の理事を務め、学校や企業での講演など幅広い活動を行っている。

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