中国西部や中央アジア諸国で産出される天然ガスを、中国東部の消費地に輸送する「西気東輸」パイプライン。その第4ルートの建設工事が9月28日に始まった。すでに稼働中の第1、第2、第3ルートと併せて、中国の戦略的エネルギー調達のパイプがさらに増強される。
石油・天然ガスのパイプラインの建設・運営を担う国策企業、国家石油天然気管網集団がウェブサイトで公表した情報によれば、西気東輸パイプラインの現在の総輸送能力は年間770億立方メートル。今回着工した第4ルートが完成すると、それが1000億立方メートルに拡大する。
第4ルートの建設は、中国政府の第14次5カ年計画(2021~2025年)の重点プロジェクトの1つだ。中国とキルギスの国境にある新疆ウイグル自治区のウルグチャト県を起点に、同自治区のトルファン市を経由して終点の寧夏回族自治区中衛市まで、その総延長は約3340キロメートルに及ぶ。天然ガスの輸送能力は開通時点で年間150億立方メートル、その後の拡張工事で同300億立方メートルに倍増させる計画だ。
トルクメニスタン起点のルートに接続
建設工事は複数の工区に分けて進められる。今回着工したのはトルファン市と中衛市を結ぶ全長約1745キロメートルで、第4ルートの総延長の半分弱を占める最重要区間だ。
財新記者の取材によれば、第4ルートは将来、中央アジア諸国の天然ガスを中国に運ぶパイプラインの「ルートD」に接続される。つまり、ウルグチャト県は(中国国内の)第4ルートの起点であると同時に、(中国国外の)ルートDの終点でもあるのだ。
ルートDは、トルクメニスタンを起点にタジキスタン、キルギスを経由して中国に至る。トルクメニスタンからウズベキスタン、カザフスタンを経由するルートA、B、Cと並んで、中央アジアと中国を結ぶ天然ガスパイプライン網を構成する。その完成の暁には、中国と中央アジア5カ国のエネルギー分野の相互協力が一層深まることになる。
(財新記者:郭霽瑩)
※原文の配信は9月28日
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