アメリカ商務省の産業安全保障局(BIS)は10月7日、先端半導体技術の対中輸出に関する多数の規制措置を発表した。具体的な規制対象には、回線幅18nm(ナノメートル)以下のプロセス技術で製造するDRAM、積層数が128層以上のNANDフラッシュメモリー、回線幅16nm以下のロジック半導体の製造装置などが含まれている。
(訳注:BISの新規制については関連記事『米政府、先端半導体技術の「対中輸出規制」を拡大』を参照)
ところが、新規制の発表から1週間も経たず、中国に半導体工場を持つ韓国のSKハイニックス、サムスン電子、アメリカのインテルの3社が、アメリカ商務省から「適用除外」の認可を受けたことが明らかになった。
新規制に基づく輸出許可申請の審査では、対象となる半導体や製造設備を中国企業が所有する半導体製造施設に輸出する場合には「原則不許可」となる。だが、多国籍企業が中国に持つ製造拠点に輸出する場合は、BISは「ケースバイケースで判断する」としていた。
SKハイニックスは10月13日、財新記者の取材に対して「アメリカ商務省と協議した結果、中国工場が必要とする半導体製造設備の調達に関して、今後1年間は個別の輸出許可の取得が不要になった」と書面で回答した。
個別の輸出許可が1年間不要に
インテルも同じ日、遼寧省大連市にある同社のNANDフラッシュメモリー工場の操業継続について、「今後1年間を期限とするアメリカ商務省の認可を取得した」とツイッターの公式アカウントで明らかにした。
また、財新記者の取材に応じたサムスン電子の関係者によれば、同社もSKハイニックス、インテルと同様の認可を取得したという。
市場調査会社のトレンドフォースのデータによれば、サムスン電子とSKハイニックスは世界首位および第2位のDRAMメーカーであり、2022年4~6月期のグローバル市場シェアは前者が43.5%、後者が27.4%を占めた。両社はNANDフラッシュメモリーの2大メーカーでもあり、4~6月期の市場シェアはサムスン電子が33.0%、SKハイニックスが19.9%だった。
インテルはNANDフラッシュメモリーの大手だが、2020年10月、大連工場を含むNANDフラッシュメモリー事業をSKハイニックスに売却すると発表。現在は譲渡手続きの過程にあり、完了は2025年を予定している。
(財新記者: 翟少輝)
※原文の配信は10月13日
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