中国「政府系ファンド」、インドネシアで投資拡大 シルクロード基金、人民元優先で4000億円拠出

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ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道の建設は、インドネシアでの「一帯一路」構想の推進を象徴するプロジェクトだ(写真はジャカルタ・バンドン高速鉄道の運営会社ウェブサイトより)

中国の政府系ファンドのシルクロード基金は7月4日、インドネシア投資公社と投資協力の枠組み合意書に署名したと発表した。双方は長期的な「ウィン-ウィン」の戦略的パートナーシップを構築し、中国の広域経済圏構想「一帯一路」のインドネシアでの推進に協力して取り組む。

シルクロード基金がウェブサイトで発表したプレスリリースによれば、枠組み合意書ではプロジェクトの選定や投資実行にあたって双方が遵守すべき原則を定めている。その目的は、多様な形式の投資による双方の協力を通じて、インドネシアの国民生活の向上や経済発展を促進するプロジェクトを重点的にサポートすることにある。

「われわれは200億元(約4052億円)または同等の外貨を投資する用意がある。人民元建ての投資を優先し、インドネシア投資公社とともに共同投資の機会を探りたい」。シルクロード基金の総経理(社長に相当)を務める王燕之氏は、プレスリリースのなかでそう意欲を示した。

インドネシア投資公社と戦略提携

シルクロード基金は習近平国家主席が提唱した一帯一路構想を推進するため、中国国家外貨管理局、政府系ファンドの中国投資有限責任公司、国家開発銀行、中国輸出入銀行の共同出資により2014年12月に設立された。主にアジア地域のインフラ開発プロジェクトを対象に、(事業主体への)出資、債券引き受け、融資、ファンド設立など多様な手段による金融サービスを提供している。

一方、今回の枠組み合意書のパートナーであるインドネシア投資公社は、インドネシア政府が2021年1月に設立したソブリン・ウェルス・ファンド(訳注:政府が出資し、公的資金を運用する投資ファンド)だ。

本記事は「財新」の提供記事です

中国とインドネシアは2018年、一帯一路および(インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が掲げる)「世界海洋軸構想」の共同推進に関する覚書に署名。その後、両国は通商・金融分野での協力関係を深めてきた。

なかでも首都ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道の建設は、インドネシアにおける一帯一路の共同推進を象徴するプロジェクトだ。同鉄道は2018年6月に全面着工し、2022年4月には(土木工事が完成して)レールの敷設を開始。同年末に全線が開通する予定だ。

(財新記者:王石玉)
※原文の配信は7月6日

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