中国「電池材料大手」がインドネシアに大型投資 華友鈷業、ニッケル・コバルトの増産に2450億円

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華友鈷業は2018年からインドネシアのニッケル・コバルト資源の開発に着手した。写真は現地に建設した精錬プラント(同社ウェブサイトより)

中国の電池材料大手の華友鈷業(ホアヨウ・コバルト)は、インドネシアでのニッケルとコバルトの生産能力を増強する。

同社は6月19日、第三者割当増資により最大177億元(約3554億円)の資金を調達すると発表。そのうち122億元(約2450億円)をインドネシアの合弁プロジェクトに投じ、金属換算で年間12万トンのニッケルと1万5000トンのコバルトの精錬能力を持つプラントを建設する計画だ。

華友鈷業は浙江省桐郷市に本社を構える民営企業。2002年に創業し、ニッケルの鉱山開発および精錬から事業をスタートした。

インドネシアのニッケル・コバルト資源の開発に参入したのは2018年。その後、複数のプロジェクトを現地で立ち上げ、2022年のニッケルの生産量は前年の6倍以上の8万~9万トンを見込む。今回の追加投資部分が完成すると、生産能力はさらに倍増する予定だ。

「三元系」の電池材料に集中

ニッケルとコバルトは、リチウムと並んでEV(電気自動車)用の車載電池の製造に欠かせない原材料である。華友鈷業によれば、現有の生産設備では急拡大する需要に供給が追いつかないため、生産能力のさらなる増強が必要だという。

正極材にニッケル・マンガン・コバルトを用いる「三元系」電池の研究開発では、エネルギー密度の改善やコストダウンを目的にした高ニッケル化(訳注:正極材のニッケルの比率を高め、高価なコバルトの使用量を減らす技術)が近年の主流になっている。そんななか、華友鈷業はインドネシアへの追加投資を通じて、ニッケルの生産・供給における業界内での優位を固めようと目論んでいる。

本記事は「財新」の提供記事です

EVの車載電池には三元系のほか、正極材の主成分が異なる「リン酸鉄系」も広く使われている。リン酸鉄系は原材料コストの安さが強みだが、エネルギー密度は三元系に及ばず、EVの長距離走行には向いていない。

華友鈷業は事業の重点を三元系の電池材料の資源確保や研究開発に移しており、6月15日にはリン酸鉄系関連の新規投資を打ち切ると発表した。

(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は6月20日

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