インドネシアのジャカルタ・バンドン高速鉄道の建設が完成に近づきつつある。同鉄道は中国が初めて海外で建設を主導する高速鉄道だ。中国の国営通信社である新華社は5月18日、インドネシアのジョコ大統領が同日、ジャカルタ・バンドン高速鉄道の建設現場を視察し、「インドネシア側は2022年末の開通と運行開始を望んでいる」と発言したと報じた。
ジャカルタ・バンドン高速鉄道は2018年6月に全面着工した。高速鉄道の技術、設備、施工などの部分はいずれも中国の国有鉄道会社である中国国家鉄路集団が主導する中国企業連合体が深く関わっている。
同鉄道はインドネシアにとっても初の高速鉄道となる。首都ジャカルタとインドネシア第3の都市であるバンドンを結び、全長は142キロメートル、設計時速は350キロメートルだ。開通後は、2都市間の移動にかかる時間が従来の3~5時間から約45分に短縮される予定だ。
両国政府で合弁会社の設立
ジャカルタ・バンドン高速鉄道は中国の広域経済圏構想「一帯一路」の重点プロジェクトとして位置づけられており、両国政府は建設工事の進捗状況を注視してきた。両国政府は合弁で中国・インドネシア高速鉄道会社を設立し、中国国家開発銀行も同プロジェクトに45億ドル(約4905億円)の借款を供与した。これは、同鉄道の建設の主要な財源となっている。
だが、建設工事は当初は決して順調ではなかった。初期段階から用地買収が難航し、予算も超過した。さらには政治的な調整に手間取り、工事が滞ったこともあった。その結果、運行開始日程も、当初予定の2019年から数回にわたり先延ばしされた。
前出の新華社の報道によると、現在、同鉄道の土木工事は全体の83%が完了したという。全線で13カ所あるトンネルのうち8カ所がすでに貫通し、主要区間の大部分の連続高架橋およびその支柱の施工は完了した。今年6月からはレールの敷設を開始し、年末にはすべての高架橋の建設を完了する予定だという。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は5月19日
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