日本の武器輸出戦略には致命的な弱点がある 国際見本市で中小企業を積極支援するべき

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2月22~26日、アラブ首長国連邦の首都アブダビで行なわれた世界最大規模のIDEXの開会式の模擬戦では戦車も登場した(撮影はすべて筆者)

安倍政権はこれまでの武器禁輸方針を転換し、武器輸出の促進を目指している。だが派手な成果を狙いすぎて、地道な努力を怠っているように見える。たとえるならば釣りの初心者が、川でのフナ釣りを馬鹿にして、いきなりクルーザーに乗って、大物を狙う海釣りに挑戦するようなものだ。

現在、政府はインドに飛行艇US-2、オーストラリアに潜水艦を売り込んでいる。営業をテコ入れするために、インド、オーストラリアの防衛駐在官を来年度予算で増員する。だが、経産省も防衛省の現場から話を聞くと、成功の可能性は薄いと醒めているようだ。これらの「大物」は性能や価格だけではなく、現地の雇用や現地の与野党の駆け引きなど含めた政治的、あるいは外交的な要素が商談に反映する。オフセット(見返り)の交渉も必要で、簡単なものではないのだ。

インドもオーストラリアもハードルの高い商戦に

特にインドの場合、意思決定が複雑で一旦決まった商談が簡単にひっくり返る。オーストラリアの商戦では欧州の潜水艦メーカーがロビー活動を行って巻き返しを図っている。武器輸出「初心者」である我が国には、いずれもハードルが高い。

そもそも実戦をしたことも、市場経済で揉まれたこともない我が国航空機や艦船などの実用性は怪しいし、コスト意識も低い。国際競争力は低いと考えるべきだ。防衛省の自画自賛を信じるのは危険である。陸自の偵察用ヘリ型UAV、長距離偵察システムは防衛省がホームページ上で、「大規模災害やNBC環境下に於ける偵察に必要であり、その開発には大成功を収めた」と自画自賛していたが、まさにそのような活躍の場であった東日本大震災では一度も使用されなかった。

これは信頼性が低く、墜落による二次災害の危険を恐れたたためで、このことは防衛省も国会答弁で認めている。

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