日本の武器輸出戦略には致命的な弱点がある 国際見本市で中小企業を積極支援するべき

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中小企業の海外見本市出展を政府が支援すれば、アベノミクスの成長戦略にも資する。その費用は大したものではないため、乗数効果は大きいものになるだろう。

開会式では、日本からのデリゲーションが訪問していることも紹介された

軍事関連に限らず、あらゆる分野において、海外の見本市で日本パビリオンを立ち上げ、中小企業の出展を支援して日本製品を売り込み図るべきだ。

IDEX2015における日本からのデリゲーション

今さら家電製品などかつての輸出の稼ぎ頭だった製品は中国などの追い上げがあり、いくら円安になっても大幅なシェア回復は難しい。むしろ、そこそこの円高であっても日本からの輸出が可能な、より付加価値の高い製品、特にコンシューマー用ではなく、BtoB市場を狙った製品の輸出拡大を画策すべきだろう。

なかでも、防衛航空宇宙関連は、これまで積極的に取り組んでこなかったため、大きな成長を期待できる有望分野である。世界的にみても、競争力のある企業が多く、非常に大きな可能性を秘めている。

ジェトロも武器輸出の促進に関わるべき

そのために、やるべきことを整理しておきたい。まず、中小企業がジェトロを活用できるようにし、在外公館の商務部の機能も強化すべきだ。前述したようにジェトロは現在、武器輸出に関しては関わらないスタンスだが、国が方針を変えたのだからジェトロも武器輸出促進のために関わって行くべきだろう。

また我が国の在外公館は「商人の商売」の手助けを嫌がる傾向があるが、諸外国では例えば米英あたりの在京大使館は自国の中小企業の対日輸出促進に極めて熱心である。日本も、民間からの大使登用を進めるなど、変化はしつつある。今後、いっそうの体制強化を期待したいものだ。

清谷 信一 軍事ジャーナリスト

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きよたに しんいち / Shinichi Kiyotani

1962年生まれ、東海大学工学部卒。ジャーナリスト、作家。2003年から2008年まで英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』日本特派員を務める。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関Kanwa Information Center上級アドバイザー、日本ペンクラブ会員。東京防衛航空宇宙時評(Tokyo Defence & Aerospace Review)発行人。『防衛破綻ー「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『専守防衛-日本を支配する幻想』(以上、単著)、『軍事を知らずして平和を語るな』(石破茂氏との共著)など、著書多数。

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