貯金できない人は「貯まる仕組み作り」を知らない お金に「愛される人」「愛されない人」の決定差

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慎重でまじめな人なら、浮いたお金はいざというときのためにとっておこうと考えるかもしれません。それも正解です。使うお金と、貯めるお金の中間に予備費があると、心の余裕につながります。実際、急に洗濯機が壊れたなど予想外のことが起きたときに役に立ちます。

1週間の予算を守る方法

さて、具体的に1週間の予算を守る方法です。現金、電子マネー、クレジットカードなど支払い手段が増えています。費目で支払い手段を分けておくと管理がしやすくなります。

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例えばA電子マネーは食費と決めたら、1週間で使いそうな金額をチャージしておき、残高を見ながらチャージした金額の範囲で使います。現金も、1週間で使う分を引き出して財布に入れておき、残金を確認しながら使い、必ずレシートをもらいます。クレジットカードは利用控えを受け取ります。

1週間たったら合計額を計算して記録します。家計管理用のノートを1冊買ってもいいし、手帳にメモしてもいいでしょう。1か月たったら、4週分または5週分を合計すると、ざっくり1か月で使った金額の合計がわかります。1か月単位できっちり収支を合わせたいなどと、ここで完璧主義を持ち出さない方が長続きします。

それよりも、1週間の合計額を出すときに、電子マネーの履歴や現金で使ったお金のレシート、クレジットカードの控えなどをしっかり見ることに時間を使ったほうが今後の改善につながります。コンビニでおやつばっかり買っているなど、自分のお金の使い方のクセが見つかるかもしれません。

そして、1週間で気持ちもお金もリセット。予算を守れなかったとしても、5週目があるから大丈夫。反省は必要だけれど、引きずらない。うまくお金を使えたら自分をほめます。もうこの週は終わったので、次の週を次の予算でスタートします。

短い期間で結果を出して受け止め、区切りをつけていく方が、反省や達成感を繰り返すことで、前に進んでいることを実感できます。

中には、1週間単位の予算を出してみたら、いくらなんでも少なすぎる、これでやりくりするのは無理と感じた人もいるかもしれません。もしそうなら、クレジットカードで支払いを先送りしたりボーナスで赤字を補填したりしながらなんとかやってきたのではないでしょうか。

原因は、固定費が多すぎるか、収入に対して支出が多すぎることです。もう一度、固定費の内容や残りのお金の使い方を見直しましょう。

坂本 綾子 ファイナンシャルプランナー

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さかもと あやこ

大学卒業後、取材記者を経て、ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所設立。生活者向けの家計相談やセミナーを行う。著書に『まだ間に合う!50歳からのお金の基本』など。

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