AIが人類超え?再注目されるあの"予言書" レイ・カーツワイルの大胆予測

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こうしたことをすべて、どこの大学にも、どこの研究所や企業にも属さず、自分なりの方法でやってきた。これは、カーツワイルの思考やアプローチに合う既存の環境がどこにもなかったということの証明だろう。発明家の中の発明家とでもいうべき生き方である。

人間の寿命を延ばす?次なる挑戦

現在、カーツワイルの関心のひとつは、人間の生命を延長すること。生命科学の発展によって身体のバグを矯正できれば、実は人間には100年以上は軽く生きられる寿命があるはずと信じるカーツワイルは、毎日150錠とも250錠とも言われる分量のサプリメントを服用しているという。カーツワイルの考えは、普通人の想像のおよばないところで動いているのだ。

カーツワイルは現在、フルタイムでグーグルのエンジニアリング部門のディレクターを務めている。コンピュータの知性を探求するために、グーグルが持つリソースを利用するという設定で合意されたポジションだ。

グーグルCEOのラリー・ページによる任命はたった一行、「グーグルで自然言語理解を開発する」というもの。

カーツワイルの動きを追えば、数年後、数10年後の近未来、そして数100年後の超未来をかいま見られるかもしれない。
 

瀧口 範子 ジャーナリスト

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たきぐち のりこ / Noriko Takiguchi

フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄・観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち:認知科学からのアプローチ』(テリー・ウィノグラード編著)、『独裁体制から民主主義へ:権力に対抗するための教科書』(ジーン・シャープ著)などがある。

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