定義的にいえば、生産性=アウトプット(生産量や付加価値額などの成果)/インプット(働く人数や時間、各種の設備など)として表され、例えば1時間働いたときに生み出される付加価値額(=労働生産性)などとして指標化される。
生産性というと労働生産性を指すことが多いが、これは企業や個人がより少ない労力でどれだけアウトプットを生み出したかを数値化したものだ。
具体的には、1時間働いたときにどのくらい付加価値を生んだかを指すことが多く、日本はこのところ5000円前後で推移している(1人で1年に生み出す付加価値額を指すこともある)。これが賃金や企業利益の原資になっている。
企業レベルの生産性向上は着実に進んでいる
実際に働いている中でいえば、生産数量や売り上げをアウトプットとして考えることも多い。300人がそれぞれ8時間働く工場での生産数量や、15人がそれぞれ8時間働いている小売店の売り上げなどがイメージしやすい。
工場であれば、新しい設備を導入したから同じ時間・人員で生産数量が20%増えたとか、これまで1時間かかっていた生産プロセスのムダを削減して45分でできるようになったというような形で、生産性向上を定量化することになる。
最近は人手に頼っていた業務プロセスを機械やシステムに置き換えて、生産性向上につなげる取り組みも加速している。
例えば、小売業界では商品発注業務における自動発注システムの普及で大幅な時間短縮が可能になった。物流業界では人手に頼ることの多かった配送センターの仕分けやピッキングなどもロボットを活用したり、荷物の移動に自動搬送車を使ったりして、自動化・省人化が進められている。
オフィスでも、反復作業の多い業務を自動化するRPAや、コロナ禍ですっかり市民権を得たオンライン会議などにより、業務効率の改善は着実に進んでいる。
よく「日本の労働生産性は主要国より低い」といわれるが、こうした側面でみると、企業レベルの生産性向上は着実に進んでいるといってよい。
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