日本銀行で為替市場介入なども担当した経験をもつJPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長に昨今の為替動向について聞いた。
9月に入り、1ドル=145円を超えるところまで迫った急速な円安。世界的なインフレが進行し、各国中央銀行は利上げを進めて、日本との内外金利差が拡大している。9月22日、政府・日本銀行は1998年以来、24年ぶりのドル売り・円買い介入を実施したが、効果は期待できるのか。
――円安には、日米金利差の拡大のほか、貿易赤字拡大による実需の円売りなどいくつかの要因がありますが、現在の円安要因で最も注目すべき点は何でしょうか。
いちばん重要なのは貿易赤字の急拡大だ。アベノミクスが始まった後の2013~2014年にも円安が進行したが、このときも貿易赤字が非常に拡大していた。
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