整形外科医が解説「骨盤のゆがみと不調との関係」 代謝の低下、冷え、肥満などの原因といわれるが

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整形外科医が、ちまたで言われる「骨盤のゆがみ」について解説します(写真:kei.channel/PIXTA)

腰部にある環状の骨の一群である「骨盤」。ここがゆがむと、全身の調子が崩れたり、血行が悪くなったり、肩こりや腰痛や膝痛、冷え、肥満、生理不順などさまざまな不調の原因になったりする、といわれている。

実際、何らかの施術(整体やマッサージなど)を受けたときに、「骨盤がゆがんでいる」「骨盤矯正をしたほうがいい」などと言われたことのある人も少なくないだろう。

けれども、骨盤のゆがみってそんなに問題なのだろうか。いや、そもそも骨盤は骨だ。簡単にゆがんだりしないのではないか――。整形外科医のDr.Koalaさんに伺った。

そもそも骨盤ってどんな骨?

――そもそも骨盤はどういうものなのか教えてください。

Dr.Koalaさん(以下、Koala):骨盤というのは、脊椎と大腿骨の間にある骨の一群です。骨盤は2つの寛骨(かんこつ:腸骨+恥骨+坐骨)と仙骨の3つの骨が環状に線維結合していて、仙骨の下部に尾骨がつながっています。それぞれの結合は強固で、ほとんど動きません。

――姿勢が悪かったり、足を組んだりしていると骨盤がゆがんでしまい、さまざまな不調の原因になるという説があります。そういった日常の習慣で骨盤がゆがむことはありますか?

Koala:日常の習慣のせいで、骨盤の形が変わることはありえません。そもそも骨盤のゆがみという言葉をどういう意味合いで使っているのか、整形外科医として疑問に感じています。

例えば、「窓枠がゆがむ」といえば、窓枠の形が変わったり、ねじれたりすることをいいますよね。ところが、先ほどお伝えしたように骨盤は強固な環状の骨ですから、簡単に形が変わることはありません。姿勢が悪いくらいで骨盤の形が変わるとしたらたいへんなことです。

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