高校入試を控える中学生の「内申書サバイバル」 委員長や部長は「争奪戦」、過去問もシェア……
内申点の付け方に疑問
「内申がこれでは、都立進学校は難しい」
都内の私立高校に今春入学した男子生徒は、中学3年のとき、三者面談での担任の言葉で志望校への出願をあきらめた。テストの成績はまずまずだが、内申点では3が目立つ状況だった。
「中3から内申を上げるのはムリとも言われました」
男子生徒の母親はこう振り返る。都立入試で内申点が必要なことは入学当初からわかっていた。だが、何をどうしたら上がるのか。内申点の付け方に疑問を抱く。
内申点とは、各教科の学びをどの程度達成できたかを示すもので、教員が作成する。多くの公立高校の受験で、出欠の記録や課外活動の報告を含めた「内申書」が中学から高校へと提出され、合否判定にも使われる。
中学校では昨年度から新しい学習指導要領が実施され、従来の評価に加えて、各教科の「観点別評価」も内申点に加味される。観点別評価とは「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つ。「態度」までも数値で評価されることになり、内申点を意識してつねに気を張り詰めて学校生活を送る子どもも少なくない。