子どもの「早期教育」小学校受験しなくても必要か 学習意欲が飛躍する日常での親の関わり方3つ

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——例えば、具体的にどんな教育方法で、どんな成長が期待できるのでしょうか?家庭で真似できるようなこともありますか?

藤田:ご家庭でもできる1つ目は、「読み聞かせ」です。小学校受験でもペーパーテストがある学校では、お話を聞いて答える問題が必ずと言って良いくらい出題されるので「聞く」力を育むことは受験にも有効です。心の中で想像して頭の中で情景をイメージする「想像力」を育むことにもなりますし、いろんな言葉に触れ「語彙力」の育成にもなります。

お父さんやお母さんが呼んでくれる絵本を聞いて言葉に触れることは、SNS やYouTubeから入ってくるのとは言葉の質が違うと思います。これが、後々の自発的な読書、つまり「読む力」にもつながります。

習慣化が大切ですので、寝る前に童話や昔話を「毎日」5〜10分でもいいので読み聞かせの時間を作っていただくのがよいかと思います。親子のふれあいの時間にもなりますよね。

もしお子さんが読み聞かせに興味を持っていない様子でしたら、「お話作り」に転換してみるのもアリです。子供に「次に桃太郎がなんて言うかな?」などと考えさせてみたり、または親が勝手に話を作ってみるというのも盛り上がるかもしれません。

「字を書く」「漢字に触れる」

次に「字を書くこと」「数字に触れること」 の2つをお薦めしています。小学校受験では、文字・数字を書かせることはしません。ですが、受験型の勉強をしてきた子が、実際に就学時になって言葉や数字に出会った時に、急に苦手意識をもち、勉強嫌いになってしまうというケースが毎年見受けられます。これは非常に残念なことですので、受験内容ではありませんが、私の教室では文字や数字への関心を高めることにも取り組みます。

ご家庭で行うとしたら、文字を書くことに関しては、「書き方の練習」から始めるのが良いのではないでしょうか。まずお母様やお父様が“お手本”を書いて、それ通りに子供が真似して書いてみる。

“その文字がどのあたりから始まって、どう書いていくのか” を一緒に見て確認しながら子供が模写するような行為がおすすめです。わざわざ自らお手本を書くのは大変だと思います。ですが、この“ひと手間”が、お子様のやる気を生む大きな要因になると実感していますので、ぜひ取り組んでみていただけたらと思います。

多くのお子様を拝見していて、お父様お母様が子供の学びに適切な興味関心を持つこと、その向き合い方がとても重要だと感じています。親が自ら子どもの学びに楽しそうに関わりを持ち、子供と一緒の目線で取り組むことは、お子様の学びの意欲を大きく伸ばすのです。

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