子どもの「早期教育」小学校受験しなくても必要か 学習意欲が飛躍する日常での親の関わり方3つ
江藤:もし教室に通うのならば、親目線とは違う、「子育ての一つの行動見本を見せてもらえる」のが、親にとっての最大のメリットだと思います。また、子供にとっては「家ではできない経験が広がる」メリットがあります。
また、今は子供のおもちゃも豊富で、家におもちゃがたくさんありすぎるという弊害もあるかもしれない、と藤田先生のお話を伺っていて思いました。家庭ではない教室という空間で、1つの題材に集中する時間をもてるのも、教室のメリットかもしれませんね。
注意点すべき点としては、間違った早期教育とは、「3歳だけど5歳と同等のことができる」のような年齢以上のことをやらせようとすることや、「他の子よりも◯◯ができる」のような他児との比較をすることです。この2つについては早期教育で陥りがちなことですので、気をつけていきたいですね。
——早期教育の2大注意点ですね。単なる“詰め込み型教育の限界”については、早期教育だけではなく、今や教育界全般で言われていることです。一方、今文科省で提唱されている“主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)“のサポートは、時間と手間がかかるイメージがあります。
江藤:時間の問題よりも、むしろ「心のゆとり」の方が大事かもしれませんね。教育者にも保護者にも、心のゆとりが必要と感じます。ルソーの言う「子ども」の概念※ を知ることの大切さ、です。子供には子供の時間があり、そこに大人が合わせてあげることです。もっとも、現代において心のゆとりをもつことが、一番難しいことなのかもしれませんが、できるだけ心がけたいものですね。
※ジャン・ジャック・ルソーは教育を論じた小説風著書「エミール」で、当時子供は小さな大人と見られていた概念を覆し、「子どもは大人ではない。子どもは子どもである」と述べ、「子どもの発見」とされている。
子どもの「苦手」に対しての対応と「不合格」の捉え方
——そのほか、受験に取り組んでおられる親が、心掛けておきたいことがあれば教えてください。
藤田:年齢に関係なく、親が「どんなことやっているの?」と子供の教育に積極的に関わる姿勢は有効です。「そんなことを学んでいるの?すごいね」「すごいことを知っているんだね」などと、夕飯の食卓を囲みながら話せると良いのではないでしょうか。ご家庭で是非やっていただきたいことです。