子どもの「早期教育」小学校受験しなくても必要か 学習意欲が飛躍する日常での親の関わり方3つ
藤田:親御様には、「割り算、かけ算、英検何級 などの目標を持って取り組んでいかれることは悪くはありませんが、必須ではありませんよ」というアドバイスをさせていただいています。では私の教室の目標は何かと申しますと、お子様が「学びに対する前向きな姿勢(学習観)を確立すること」を掲げています。
勉強イコール「やらなければならないこと」「苦行」「ノルマ」というような認識になってしまうのではなく、あくまで自分から前向きに学びに取り組んでいくスタンスを身につけていくことが、就学前の学びとして最重要だと考えているからです。そんな学びの土台作りをしていくことこそ、早期教育の本質だと思っています。
「就学前に学びに取り組む意味があるのか?」という点については、様々なご意見があると思いますが、私自身が、小学校入学前に家庭内でこの「学習姿勢」を体得しており、その後の勉強をスムーズに進めていけた、という実体験をもとに現在行っております。
必ずしも合格だけがゴールではない
——早期教育では、“何ができるようになるか”よりも子供の“学ぶ姿勢作り”に焦点を置くことが大切だという考え方ですね。
藤田:受験に取り組んでおられるような教育熱心なご家庭こそ、実はその取り組み方によってはかえって子供を主体的な学びから遠ざけてしまう可能性も孕んでいるかもしれません。ですから、私の教室では合格はもちろん目指しますが、“合格をするためには手段を選ばない”というようなやり方はしないという方針なのです。
江藤:藤田さんの教室は、小学校受験に向けた学びも当然されながら、必ずしも合格だけがゴールの詰め込み型教育はしません、というスタンスですよね。それ故に身に付くお子様の前向きな学習姿勢や、伸びやかな探究心が、受験の合否に関わらず就学後のお子様の力になっている。それが、就学後も御社のアドバンスクラスという、小学生低学年向けのクラスに継続して通われるお子様が多いという結果にも繋がっておられるのですね。
藤田:子どもの学びは受験後も続きますので、長い目で子どもの“伸び”を考えた時に、未就学時期には、学習姿勢の土台を作ることが最重要だと感じています。我が社ではそのようなご説明をし、ご納得いただけるご家庭に来ていただいております。その結果として、ありがたいことに就学後の満足度も高くいただいているのだと思います。