「トリセツ・コールセンター」を軽視する人の盲点 リスキリングのための絶好の機会と捉えるべし

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その際のコールセンターやヘルプデスクの方との会話も、実はデジタルツールに強くなるためのリスキリングのチャンスです。例えば、ヘルプデスクの方が、「ウェブサイトの右上から設定画面を開いて、次に『セキュリティとプライバシー』という部分をクリックしてください」と指示をしてくれたとします。こういう設定画面を深く理解できると、パソコンやウェブサービスの仕組みについて少しずつ理解ができるようになってきます。

また、こういったヘルプデスクの仕事をしている方々はとても親切な方も多く、嫌がらずに説明してくれたりしますので、「ヘルプデスクは自分の分からないことを教えてくれるリスキリングの先生」ともいえます。

ニューヨークで仕事をしていた頃、LANケーブル接続が主流の時代から、Wi-Fi接続に移行していくとき、頻繁にWi-Fiがつながらなくなることがありました。本当に大変だったのは、つながらなくなった際にコールセンターに電話すると、その電話がインドのコールセンターにつながることです。

インド訛りの英語の説明を聞きながらWi-Fiの設定画面を見て、対処法を聞くというとてもハードな環境で鍛えられました。日本語のルーターという言葉が英語ではほぼ「ラウラ」と聞こえるため、会話が理解できず本当に苦労しました。

ただ、何度もこなしていると、Wi-Fiの設定画面を何度も見るので、問題が起きたときに徐々に自分で対処ができるようになってきたのです。この経験がもとになって、通信接続については素人の割に詳しくなり、のちに通信ベンチャーの仕事をする際に知識やトラブル対応の経験がとても役に立ちました。

トリセツもリスキリングの宝庫

新しい製品を買った際に、おそらく多くの方が「取扱説明書」を開くのが面倒臭いと思うのではないでしょうか。実は、取扱説明書も視点を変えるとリスキリングの教材になります。

最近のハードウェアはインターネットに接続できるものも多く、AIやIoT製品について詳しく知る絶好の機会です。

特に近年は紙の取扱説明書ではなく、サービスや製品を提供している会社のウェブサイトに掲載されている場合が多く、いつでもどこでも見ることができます。自分の会社がデジタルサービスを展開する側になった場合、この取扱説明書に書いてあるような内容は、当然すべて理解していなくてはいけません。リスキリングを成功させると、サービスの受け手という視点からサービスの供給側の視点に切り替わるのです。

デジタルが苦手な方は、「知らないボタンを触って元に戻らなくなったらどうしよう」という少し怖い気持ちだったり、「今最低限使えているからそのままにしておこう」と目をつぶってしまう感覚で、スマホを使っている方も多いのではないでしょうか。

ところがスマホの設定画面の操作の多くは、ON/OFFラベルと呼ばれるスイッチ(iPhoneならONにすると緑色になる部分)か、プルダウンと呼ばれる選択画面のどちらかなので、動かしてみても簡単に元の状態に戻すことができます。

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