食欲の秋に「ペペロンチーノ」10分で作れる簡単技 今の時期は「すだち」を搾ると最高においしい

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パスタのゆで時間はアルデンテの4分。

鍋にパスタを投入
パスタをひねり、鍋の中心に押さえつけながらゆでると少ない湯でも上手にゆでられます

盛り付ける皿も温めておきましょう。パスタのゆで汁をすくってお玉で注ぎ、鍋に戻すとかんたんです。

用意した少し深い皿
平らな皿よりも少し深い皿が食べやすく、パスタも冷めづらいです

パスタがゆで上がる1分前になったらフライパンを再び中火にかけます。まだフライパンの中は水っぽい状態です。ソースが沸騰したら火を止めます。

中火にかけたフライパン
鍋を揺すりながら手早く沸かします

熱いソースにゆでたてのパスタを入れ、絡めていきましょう。強めの塩分濃度でゆでているので改めて塩味をつける必要はありません。

パスタをソースとからめる
ゆで上がったパスタをトングで移しましょう

ポイントはやさしく和えること。ソースの量がこれくらい残った状態が理想です。あまり混ぜすぎるとパスタからデンプンが溶出し、重たい仕上がりになります。パスタの表面を傷つけにくいゴムベラを使って混ぜるのがおすすめです。

ある程度混ぜるとパスタからデンプンが溶け出し、水と油と混ざり合うことで、ソースに適度な濃度がつきます。濃厚な味が好きであればしっかりと混ぜる方法もありますが、パスタも伸びていくので適当なところで止めたほうが無難です。

ソースをからめる
パスタが傷つくのを防ぐため鍋はあまりあおらないように アルミフライパンの場合はトングを使うとフライパンの表面が傷つくので避けましょう

ペペロンチーノが難しいのはトマトソースなどとは違って、パスタが水分を吸いやすい点。時間をかけると水を吸ってやわらかくなりますし、相対的に油の割合が増えるので、ベタッとした油っぽいペペロンチーノになってしまいます。蒸発によっても水分は失われるので、熱いソースに熱いパスタを加えたら火を止めることを忘れずに。

というわけで、ソースが混ざったら手早くさっと盛り付けましょう。パスタを4分でゆで上げたので、ゆで上がり記載の6分以内には盛り付けまで終わらせます。

出来上がったペペロンチーノ
熱々のうちに食べるのもおいしさの秘訣です

フライパンの中の水分量に注意

ところでペペロンチーノをつくる際、よく「乳化」が話題に上がります。乳化とは本来混ざり合うことのない水と油が乳化剤によって混ざり合うことです。本来はマヨネーズやバター、牛乳などの安定した状態を指しますが、料理の世界ではドレッシングのような不安定な乳濁液のことも乳化と表現したりします。

ペペロンチーノに乳化が必要かどうかは難しいところで、結局は目指す状態によります。ソースにゆで汁を加える、あるいは粉自体を足すなどしてデンプンを増やせば乳濁液の状態は安定します。一方、味は重たくなるので、キレは失われます。実際には適度な状態が理想です。乳化を意識するよりも、フライパンの中の水分量に気を遣ったほうがペペロンチーノは上手に作れると思います。

ペペロンチーノはシンプルな味なので、後から具材をのせるアレンジがおすすめ。例えばしらす(2人分で25g)をのせて、今の時期であればすだちをたっぷりと搾るのが最高においしいです。

出来上がったペペロンチーノ
出来上がり

(写真はすべて筆者撮影)

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樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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