カプコン、売り上げ激減でも株価高騰のナゼ

株式相場は何を"材料"に買うのか

人気タイトルを持つカプコンだが、今期は大幅な減収の見通し(写真は2012年撮影)(撮影:山内信也)

「モンスターハンター」「バイオハザード」など人気ゲームを多く手掛けるカプコン。2015年3月期の売り上げ見通しは650億円と前期比で400億円近くの大減収となる見通しだ。これは大型タイトルが「モンスターハンター4G」の1本のみだったことが響いている。

ところが、本業の儲けを示す営業利益は約2%増の105億円を見込む。売上高が3分の1以上減るにもかかわらず、利益は前期をわずかに上回るという”奇異”な予想を公表しているのだ。

もともとカプコンは、今期の売り上げについて2割減の800億円を見込んでいたが、年明けの1月9日に下方修正を発表した。この時、予想を引き下げたのは売上高のみ。利益計画を据え置いたことでむしろ株価は上がり始めた。昨年10月に1541円の年初安値をつけた後、株価は1800円前後の推移が続いていた。だが、業績の下方修正前に1700円台だった株価はグイグイ値を上げ、足元は2100円を超える水準まで達した。

創業者が改革を宣言

売り上げが大幅に落ちても利益を維持できる背景には、2年前から進めてきた構造改革がある。創業者の辻本憲三会長が「社内のチーム編成をやり直す。外注丸投げではダメ」と宣言し、2009年から積極活用してきた海外開発会社との取引を大幅に縮小した。

これまで外注タイトルの開発遅延や品質の低下を受けて、思うようなタイミングで新作ゲームをリリースできないジレンマに陥っていた。過去2期連続でゲーム開発関連の特別損失を計上するなど、開発中止を決めたゲームも複数あった。一連の反省を踏まえて、内作化比率を引き上げる方針へ転換。2011年度に1339人だった社内の開発者は、直近で1900人まで急増。内作化比率は2011年度の47.7%から現在は70%まで上昇している。

社内の開発効率を上げるために、「52週マップ」という新たな管理手法も導入した。これは個々の開発者がどの仕事をしているかを週単位で見える化する仕組みで、稼働率を上げる狙いがある。

「これまでは開発途中で、”アイドリング状態”になる開発者も少なくなかった」(カプコン幹部)が、52週マップのおかげで適切な時期に適正数の開発者を配置することが可能になり、チームごとの人員不足や余剰人員を防止できるようになったという。

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