「100%メロン飲料」騒動でバレた業界のヤバい裏側 果汁たった2%でしっかりメロン味になるワケ

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ジュースを飲もうとしている女性
「メロン果汁2%」のものが「メロン味」に思えてしまう、その「裏側」「カラクリ」は?(写真:mits/PIXTA)
食品製造の舞台裏を明かし70万部の大ベストセラーになった『食品の裏側』の著者、安部司氏が開発したレシピ集『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』が8刷6万5000部を突破し、話題を呼んでいる。
『食品の裏側』発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、安部氏が自ら開発した膨大なレシピノートの中から、簡単に時短に作れるレシピを厳選した1冊だ。
いまなお食品添加物の現状や食生活の危機を訴える安部氏が「平気で『果汁ジュース』を買う人」が知らない驚きの裏側について解説する。

果汁2%なのに「メロンジュース」と思ってしまう理由

先般、キリンビバレッジのメロン味のミックスジュースが景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁から再発防止などを求める措置命令が出されたというニュースが話題となりました。

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問題となったのは「トロピカーナ100%まるごと果実感メロンテイスト」で、原材料のほとんどがメロン果汁であるかのようなパッケージ表示をしていたにもかかわらず、実際に使われているメロン果汁はわずか2%だったというものです(現在はパッケージのデザイン、名称を修正して販売)。

このジュースを実際に飲んだ人の話を聞くと「ちゃんとメロンの味がした」「メロンそのものを飲んでいるようで、とてもおいしかった」という感想でした。

私も試飲しましたが、確かに「メロンの味だな」と思わせるものでした。

おそらく多くの方が「メロン(だけで作られた)ジュース」と信じて飲んでいたのではないかと思います。

逆に、そうでなければ、さすがにメーカー側も提供できないはずです。「メロンジュースだと思って買ったけど、ぶどう味だった!」「メロンの味が全然しなかった!」では、景品表示法違反以前の問題として、クレームがたくさん出てしまうからです。

今回問題となった表記(写真は消費者庁HPより)

しかし私は何も、ここで改めてメーカー側の販売姿勢を糾弾したいわけではありません。

私が指摘したいのは、なぜ「メロン果汁2%」だったものが「メロン味のジュース」に思えてしまうのかという、その「裏側」「カラクリ」です。

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