任天堂、実は業績が「大きくブレる」納得の3理由 常に好業績のイメージだが実態は異なっている

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さて、ここで問題です。ゲームソフトとハード、利益率が高いのはどちらでしょうか。文章を読み進める前に一呼吸置いてぜひ考えてみてください。

よろしいですか?

結論から言うと、ソフトのほうが利益率は高くなる傾向にあります。ソフトはダウンロード販売もできますが、ハードは現物で販売しなければならなく、輸送コスト等もかかるためです。

ちなみに任天堂は、売上高に占めるハード製品の比率を開示しています。この売上高ハード比率と、売上高総利益率の推移を時系列で追うと面白いグラフの動きになります。

売上高総利益率(粗利率):売上高総利益率とは、売上高に対する売上高総利益の割合を表す経営指標です。別名、粗利率とも呼ばれます。

売上高ハード比率が上昇すると売上高総利益率が下降し、売上高ハード比率が下降すると売上高総利益率が上昇します。つまり、両者は原則として逆の動きをする関係にあることがわかります。

出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』

ハードが売れないとソフトも売れない

この2種類の指標の推移グラフからもわかるとおり、ゲームはハードよりもソフトのほうが利益率が高いことが読み取れます。ハードが普及しなければソフトも買ってもらえないことから、まずはハードの価格を下げて購入を促し、その後のソフトで利益を拡大するという販売戦略が財務数値の動きから読み取れます。

出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』

つまり、肝いりで開発したゲームハードがこけてしまった場合、業績も芋づる式に悪くなってしまうのです。実は、前回の3回目でも触れた2010年代の赤字の原因はそこにあります。

ということで、その時代の事例も紹介していきます。

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