大抵の親が驚く「常識破りな小学校教育」の中身 日本の学校でもここまで大胆な教育ができる

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プロジェクトの内容ともリンクさせます。私が見学したクラスでは、ちょっと前に行われた学園祭での自分たちのクラスの実際の売上額を用いて、材料費や利益といった言葉やその計算の仕方を学んでいました。

異学年混在クラスですから、理解度に合わせて使用する教材を変えたり、大きな子が小さな子に教えたり、低学年と高学年とで分けて授業を行ったりという状況が見られます。そのあたりの判断も、先生が子どもたちの状況を見ながらとても柔軟に行います。

プロジェクト、自由選択、基礎学習の時間の中に、国語、算数、理科、社会などの教科の要素が分散しています。これらを分解して、教科ごとの学習時間としてまとめれば、学習指導要領の要件を満たすようになっているという考え方です。

子どもも大人も同じ1票をもって投票する

学校生活や寮生活を円滑に行うためのルールづくりは関係者全員の話し合いで決めます。投票によってものごとを決めるときには、子どもも大人も、みんな平等に1票をもっています。

私が学校を訪ねたとき、ちょうど5年生の女の子が見学に来ていました。先生から「何か質問はありますか?」と尋ねられて「うちのハムスターを寮に連れてきてもいいですか?」と聞いていました。すると先生は、「それは集会でみんなに聞いてみるといいよ。エサは誰があげるのかとか、夏休み期間中はどうするのかとか、きっといろんなことを聞かれるから」とアドバイスしていました。そういうこともみんなで話し合って決めるのです。

そもそも校舎のつくりからして、普通の学校とはまるで違います。百聞は一見にしかずなので、ぜひ学園のホームページを見て、どんな雰囲気なのかをビジュアルで感じてみてください。学園は2022年に公開された「夢みる小学校」という映画の舞台にもなっています。

ぼーっとしていたり、ふざけすぎていたりという子どもがいません。おそらく適度にリラックスしているからです。子どもは、まったく興味が喚起されない状況に放置されると手持ち無沙汰で死んだ目になってしまいますし、緊張感が高すぎると逆にふざけたりします。適度にリラックスしているときがいちばん集中力が長続きして、意欲的に学べます。子どもたちがそんな状態にあることが伝わってきました。

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