大抵の親が驚く「常識破りな小学校教育」の中身 日本の学校でもここまで大胆な教育ができる

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何がどう常識破りなのか。小学校を中心に説明します。

時間割に教科という概念すらない

国語、算数、理科、社会……といった教科の概念がありません。時間割はありますが、主には「プロジェクト」「自由選択」「基礎学習」の3種類の時間しかありません。しかも、たとえば木曜日は午前中いっぱい「プロジェクト」で午後は「基礎学習」といったようにざっくりとした枠組みが決まっているだけです。

チャイムは鳴りません。宿題、テスト、いわゆる通信簿、ありません。そもそも学年という概念もありません。クラスはありますが、「3年1組」とかではなくて、「工務店」とか「料理店」とか「ファーム」とかおかしな名前がついています。それぞれのクラスで1年生から6年生までがいっしょに学びます。

たとえば工務店クラスの生徒は週の半分くらいの時間を大工仕事の「プロジェクト」に費やします。私が見学したときには森の中に設置する観察小屋をつくっていました。自分たちが出入りするドアをつくるには高さがどれくらいあったらいいか、巻き尺を使って自分たちの身長を測って、十分な長さの柱を切り出したりしています。

小学1年生も時間をかけて太い角材をノコギリで切ります。やっと切れたのですが、切り口がちょっと斜めになってしまいました。するとその子は切り口が平らになるようにさらにノコギリで調整します。「切って」と命令されただけなら、「切れた」でおしまいになるはずです。でも主体的に活動しているからこそ、自分のシゴトにこだわりをもっているのです。

同様に、料理店クラスの生徒は教室の中で一日中料理をつくっては食べています。ファームクラスの生徒たちは畑仕事、クラフトクラスの生徒たちは工作、劇団クラスの生徒たちは演劇の練習を、自分たちの創意工夫で行います。クラスは1年間固定です。

「自由選択」は、音楽、体育、芸術、英会話などのメニューの中から学期ごとに好きなものを選んで参加する授業です。外部講師に授業をお願いすることもあります。

「基礎学習」は、いわゆる「よみ・かき・そろばん」の授業です。といっても、黒板に向かってきれいに座って先生の言われたとおりに一斉に同じことをやるような授業ではありません。それぞれのクラスの先生が、それぞれに工夫してつくった手作りの教材を使用しながら、ときに体験的に数の理解や言葉の理解を進めていきます。

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