「面白い人」だけが知る誰もが使える笑いの法則 立場によって「笑いのネタ」を変えるべき理由

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そんな中で、毒舌が唯一許されているのは、マイノリティという立場の人ですね。例えば、マツコ・デラックスさんが、なぜ毒舌で成立するのか。それは、彼がセクシャルマイノリティだからです。

実際にはとても社会的地位の高い方ですが、一般の人々からは低く見えているので、何を言っても、上に対して噛みついている下剋上に映る。だから、成立しているのです。

僕も、毒舌が許されるタイプです。見た目はカッコよくもないですし、身長も163センチしかありませんから、下の者が上に噛みついている感じに自然と認識されますよね。もし喧嘩になったらどうせ小さくて弱いだろうから、ボコボコにしたらいいだけと相手も思っていると思います。つまり、誰かに噛みついてもいい立場として認識されることが多いです。

でも、木村拓哉さんが毒舌だったら、「なんだコイツは?」という感覚になり、見ていられませんよね。

毒舌の「パチンコ玉」理論

そのような構造があるわけですが、実は今は、マツコさんも毒舌が減っています。タレントとして立場が上になって、毒舌が下剋上に見えなくなってきたのです。

立場によってユーモアは使うべきものが変わりるわけです。そして、自分の立場や影響力は、知らぬ間に変わってしまうので注意したほうがいいですね。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。
『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』(日本経済新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

以前は毒舌で通用していたけど、立場が上になったのに部下のことを毒舌でいじっていると、パワハラになってしまいます。

弊社では、これを「パチンコ玉理論」と呼んでいます。隣の人からパチンコ玉を投げられても痛くありませんが、ビルの上から落とされると、当たった人は死んでしまうかもしれません。

同様に、社内の同期から「バカだな」と言われてもどうもありませんが、急に社長から「バカだな」と言われたら、それがいくら冗談でも、本当にバカなんじゃないかということになってしまう。

ですから、ビルの上層階にいる立場の人こそ、毒舌ではなく、意図的に自虐を使うことが大事だと僕は思っています。

(構成:泉美木蘭)

中北 朋宏 俺 代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかきた ともひろ / Tomohiro Nakakita

浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。その後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。入社3年でナンバーワンとなる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、「制度設計」「採用」などを担当。2018年2月9日に株式会社 俺を設立。“夢諦めたけど人生諦めていない人のために”をコンセプトに、お笑い芸人からの転職支援「コメディケーション」を展開中。
著書に『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』『コンプレックスは営業の最高の武器である。』(いずれも日本経済新聞出版)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事