あくまで噂レベルだが、テスラに搭載された17インチのタッチスクリーンのOSはAndroidと言われている。実際に使ってみてわかったのは、自動車産業は全世界的にIT音痴ということ。なぜなら、「先進的」といわれるテスラのタッチスクリーンも既存の技術をパッケージしたにすぎない。
加えて、車速や車がいた位置などを「プローブ情報」というが、自動車会社はプローブ情報の共有に閉塞的だったりする。『米グーグル、自動車に直接搭載する「アンドロイド」開発へ』(ロイター)というニュースは、その状況を打破する狼煙かもしれない。Androidを搭載するとなれば、プローブ情報の共有は前提だ。
しかも、GPSや加速度センサーを応用すればよりリアルな統計データを得ることが可能になる。適正な保険料率を設定することもできるので、『なんとGoogleが自動車保険を販売予定、「保険」業界へ進出か?』(Gigazin)という動きにも合点がいく。自動車保険の計算方法すら変えようとしているグーグル。これこそ社会イノベーションだ。
「グーグルは世界征服する気」説は本当か
『グーグル、3.5GHz帯の開放をFCCに働きかけ 安価なネット接続サービス実現が狙い』(WirelessWire News)という記事があったが、電波解放などの働きかけは、元来通信会社が行ってきたこと。直接的な利益を得ないIT企業は行ってこなかった。つまり、このグーグルの動きは「グーグルの影響力」を象徴するような出来事と言える。
しかし、電波帯を解放したからといってグーグルは通信サービスに参入するとは思えない。なぜなら、グーグルの規模感に合わない“つまらないビジネス”であるからだ。最近では、「グーグルは世界征服する気だ」という言葉を耳にする機会も増えてきたが、当のグーグルは世界征服など眼中にはない。一貫して「自社サービスの使い勝手が上がれば、利用者が増え成功する」というスタンス。ビジネスモデルは後回しという考え方だ。
そんなグーグルが乗り出そうとしているのが「格安スマホ」。先進国で高級スマホの需要が強くなる一方で、途上国では依然として安価なスマホ中心。世界的に市場が二極化しているわけだが、その状態に手を打つために『米グーグル「Android One」、新たに3つのアジア市場への参入を正式表明』(ガジェット速報)、『Googleの組立スマホ「Project Ara」、プエルトリコで年内発売へ』(マイナビニュース)を発表したわけだ。
普通のメーカーならAndroid Oneのような低価格端末を作って終わりだろう。しかし、組み立て式であれば、極端にいえばカメラすらない端末も販売できるためより低価格にできる。この発想は「さすが」と言わざるを得ない。
※ 続きの「グーグルの誤算」「グーグルの弱点」は、週刊『夏野総研』のブロマガでご覧ください!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら