「大丈夫かな……。心配だな……」。夏野剛氏が不安の声を漏らすのは、日本の「おもてなし」についてだ。
日本にやって来る外国人観光客が増えるにつれ、海外でも日本のホテルや旅館の快適さが話題となっている。それをビジネスチャンスととらえ、日本企業が海外進出を加速している。ホテルオークラもそんな1社だ。
1月にはトルコに進出することを発表、2020年までにイスタンブールやアンカラを軸に5ホテルを開業する。そのほかにも2017年にはタイ・バンコク、2018年にはフィリピン・マニラで新ホテルを開業する予定だ。
「現地化」と「手抜き」を混同してはいけない!
夏野氏は、「この動き自体には大賛成」と話す。「トルコもイスタンブールにはすでに高級ホテルがひしめいているが、ほかの都市はまだまだ。人口を考えれば、大きな市場が広がっている。ぜひ成功してほしい」。
だが一方で、「(オランダ)アムステルダムのホテルオークラは、正直、日本のサービスや高級感をそのまま持って行っている感じがしない。特に食事は、手を抜いている感じがする」と指摘する。
「海外展開においてローカライゼーションは大事だし、オランダは味に関してそこまでうるさくない国であるのも事実。でも、日本のホテルが進出するのであれば、飲食の充実は絶対だろう。ぜひ、(これから開業するアジア各国でも)手抜きはしないでほしい」(夏野氏)。
52年の歴史を持つホテルオークラ東京の本館も、2019年の完成に向け立て替えられることが決まっている。夏野氏は最後に「この節目にきちんと、今までのオークラのクオリティにプラスアルファで世界に通用するサービスを作って、羽ばたいてほしい」とエールを送った。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら