「だまし絵」が子の発想力を育むのに役立つ理由 今さら聞けない「アート思考」とはいったい何か
今までは左脳的な論理的思考が主流で、最初から正解を求めるようなプロジェクトがビジネスの世界ではメインストリームでした。
しかし、今の時代は僕なりに表現するなら、「1人ひとりがつながってしまい、相互に影響を与え合うことで予測もつかない変化が生まれる世界」に投げ込まれている状態だと思うのです。そんな社会においては論理的思考ではうまく立ち回れないことも多く出てきています。
かつては「それはあなた個人の考えだろう」と足蹴にされていたアイディアこそが、結果的には世の中を動かし、変えるようなエネルギーを持っているケースが珍しくなくなってきています。
洞察力のある人たちは「表現したもの勝ち」という潮流に現代社会がシフトし始めたことに気づき始めたからこそ、「アート的なものの見方」が今ものすごいスピードで見直されているのです。
アート思考を育てるのに絵本が絶好のツールなわけ
アート思考において、私がもう1つ可能性を感じているのが教育の分野です。私たち大人は、言語として概念化したものをベースにふだん活動をしていますが、子どもの場合は自分の体感や体験、イメージなどで概念を作っています。
ですから、前提となる概念がない状態で物事を認知できる絵本は、アート思考を育てるうえで自然なフォーマットだということができると思います。
お子さんのいる方なら、絵本やアートブックを親子で一緒にながめ、お互いに感じたことを話し合う機会を作ることをおすすめします。私は読後の子どもとの会話を重視していて、読んだ本について「何がおもしろかった?」など、問いかけをするようにしています。
『くるっと だーれ?』のように、逆さまにすると違う絵があらわれる、だまし絵の絵本を親子で一緒に楽しむこともイメージ脳(右脳)を育むのに有効なアプローチです。
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