山崎「ランチパック」で和梨が復活した意外な経緯 秋葉原本社なのに「市川のなし」のナゾに迫る
「ランチパック」「北海道チーズ蒸しケーキ」「まるごとバナナ」「ダブルソフト」――。
ロングセラー商品を多数擁し、製パン業界で国内首位、世界でも2位の山崎製パン。国内では1981年に始まった「春のパンまつり」以降、「白いお皿」を重宝している世帯も多いはずだ。
本社を東京・秋葉原に置く山崎製パンが近年、「ナシ」を使った商品に密かに情熱を傾けている。それもなぜか千葉県市川市産のナシにこだわって。
山崎製パンは実は市川市創業。市町村産出額で日本一にもなったことがあるほどのナシの名産地、その創業地の特産品を活用していたのだ。
地元との連携は全国多くの企業が取り組んでいることだが、トップ企業の「地元の農産物活用」とはどんなものか。現地に取材に行ってみたら、意外なことが見えてきた。
第一弾は2011年、その後30商品にも
市川でナシの栽培が盛んなのには理由がある。JR市川駅周辺をはじめ、市川は埋め立てで広がった地域だ。多くのエリアがもともとは海岸線に近い砂地で、それでも育てられる農作物として江戸末期以降、重宝されてきたのがナシだった。
山崎製パンにおける市川産ナシ商品、その第1号は2011年。和梨ジャムを使った季節限定のランチパック「梨ジャム&ホイップ」である。その後、市川産のナシを用いた商品数は続々続き、累計で30にものぼる。
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