「私の体は私のもの」オーストラリアの同意の教育 親はなにかと決めたがるが子供との同意が必要

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

学校が制服を義務づけるなど、服装を決めてくることがあります。スポーツコーチやダンス教師がパフォーマンスの向上のために、身体の管理方法をアドバイスしてくることもあるでしょう。

医師たちは、病気を治したり障がいとつきあうための身体的なアドバイスをします。宗教者たちは、信仰に基づいて、身体に関する選択に関して何かひと言、言いたがるものです。

忘れないでいてほしいのは、どんなに権威ある人が口を挟んできたとしても、自分の身体のことで最終的な決定をするのは自分、ということ。自分の身体のことは自分で決める、ということをほかの人にどう言えば伝わるのかわからないときに、この本は役に立ちます。

・車椅子は私の身体の一部。このことをみんなに知ってほしいんだけれど、あまり理解されない。触らないでほしいし、押さないでほしいし、私に聞きもせずに、また、頼まれてもいないのに車椅子を動かそうとしないでほしい。(ニコール・リー)
・すごく簡単なことだけど、「私の身体は私のもの」って言うようにした。男の子たちのものじゃなかったし、じろじろ見てくるオジサンの所有物でもなかった。私の身体はほかの人のためにあるんじゃなくて、私のものだった。だから私は自分自身に「あんたがこの身体のボスだからね!」って言うようにした。(サリー・ラグ)

親は子どもの身体のボスではない

親たちはいつ私の身体のボス役を降りてくれるのでしょうか?

短めの答え:だいたい12歳から17 歳の間です!
長めの答え:いつ、というより、どうやって、の話です。

大きくなるにつれ、会話や交渉を重ねながら、親は子どもの身体のボスでいることをやめます。多くの場合、自分がボディリーオートノミーに関する話をしていることには、まったく気が付きません。

それはたとえば、眉毛を抜きたいとか、いつも着ているのとは違う服を買いたいと頼んでみるようなことだったりします。また、辛い食べ物に夢中になったり、赤身の肉はもう食べないからと、夕飯のメニューを具体的に頼んだりすることです。実は、これらはすべて、ボディリーオートノミーを表現できている、ということなのです。

次ページ合意できる地点を探す
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事