「事実と意見を混同する人」がなんとも危うい理由 ただの個人的意見を「根拠」にしてしまっている
疑問や違和感を持ったら、とりあえず調べてみる
疑問や違和感は、何かを調べる際に大きな原動力となります。
2019年に、秋田魁新報という地方紙のスクープ記事が、優れた報道の担い手に贈られる新聞協会賞(2019年度)を受賞しました。
その記事の内容は、ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備候補地選定をめぐって、防衛省の調査報告書に事実と異なるデータが記載されていることを独自調査によって明らかにしたというものです。
発端は、秋田県秋田市と山口県萩市・阿武町が同システムの配備候補地になったことでした。秋田魁新報社の記者は、「なぜ秋田市が候補地になったのか」「この候補地は住宅もある市街地に近い。危険ではないのか」と疑問に感じ、独自の調査を開始しました。
ほかの候補地を不適地とした理由の中に、周囲の山がレーダー波を遮るから、というものがありました。防衛省の報告書では、男鹿市にある本山の仰角を15度と記載していました。秋田で取材活動を続けているその記者は、その記載内容に違和感を抱き、実際よりも山の高さを誇張しているのではないか、との仮説を立てたのです。
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