「事実と意見を混同する人」がなんとも危うい理由 ただの個人的意見を「根拠」にしてしまっている

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三角関数で計算してみると、本山の仰角は4度という数字が導き出されました。4度と15度ではまったく異なります。

記者が現場に足を運び、スマホを使って太陽の角度がわかるサイトで調べたところ、やはり4度であることが示されました。そして後日、改めて専門業者の力を借りて測量をした結果、やはり仰角は4度であることが判明。これを受けて、防衛省の調査データにミスがあったと報じ、全国的な反響を呼んだのです。

本来、官公庁が発表するデータは信頼性が最も高いものであり、疑念を抱こうともしない人が大半でしょう。そんな中、「なぜ秋田市が候補地になるのか?」という疑問と、データへの違和感を出発点に、自分の力で調べた記者の行動力は称賛に値します。

日常で疑問や違和感を持ったら、曖昧にせず、実際に調べてみる姿勢が大切です。あきらめず調べていけば真実に到達できますし、調べる力も確実にアップします。

「願望」や「思い入れ」で仮説を立てることも大切

前項でお伝えしたように、「本当にそうなのかな?」「ちょっとおかしいんじゃないの?」

という疑問や違和感を持った際、あなたの頭の中で「違和感センサー」を働かせることは、「調べる力」を身に付けるためにとても大切です。

違和感センサーが何かを感知したときは、その都度、情報を詳しく調べる習慣を身に付けてください。そうした習慣を繰り返すうち、何かのグラフなどを目にしたときに「これは正しそうだ」「これは間違っている」などと直感的に理解できるようになります。

ただし、「調べる力」の原動力は違和感センサーだけではありません。「こうあってほしい」「こうなのではないか」といった願望や思い入れを持つことも重要です。願望や思い入れも「調べる力」の大きな原動力となるのです。思い入れが偏見につながっては元も子もありませんが、個人的な思い入れをもとに何かを調べ続けた結果、大きな発見につながるケースもあります。思い入れが生み出す力をあなどってはいけません。

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