横山剣「想像していなかった」60代で知った楽しさ 若い頃は28~32歳くらいを大人と思っていた
──温もりは、オープニングを飾る「Almond」からも感じられました。
横山:アーモンドをかじるときの「カリッ」てサウンドからヒントを得て生まれた曲です。海外でのっぴきならない状況下にあって、なかなか帰国できずにいる男が、眼前の太平洋を見つめながら、好きな女への想いをメロディーに変換してる、そんなストーリーです。
ゴージャスにも、好きにもいられる音楽の世界
──海を越えて、続く楽曲「ドバイ」にたどり着く訳ですね。
横山:ヴァーチャル技術を駆使して、ドバイへ魔法のじゅうたんならぬ「魔法のお布団」で飛んでいくという。ちょっと官能的な要素もある楽曲に仕上がりました。
──次の楽曲は、実際にドライブで向かう「強羅」!?
横山:「強羅」もまた文字霊が強いですよね。ワケありな感じがするというか(笑)。箱根の旅館へ、キャデラックCT6で滑り込んでいくというイメージを表現。ジャジーなムードもが漂ってます。
──「強羅」は大人の秘密基地な印象(笑)。よく行く場所なのですか?
横山:そうですね。僕自身も、地元(横浜)からちょうどいい距離なので、足を運ぶ場所の1つではありますが、実際の日常生活はこじんまりしてますよ(笑)。せめて音楽の世界だけでも、ゴージャスでありたいし、リスナーの方々にも味わっていただきたくて、この楽曲を制作した部分はありますね。
──確かに、アルバム全体にゴージャス感があふれています。
横山:昔に比べると、いろいろと行動や発言に対して問われることの多い社会になりましたよね。でも、音楽だけは治外法権というか。音楽からは、何を感じても自由なんです。せめてそこだけは好きにさせてよ、という思いがアルバム全体に流れているはず(笑)。