横山剣「想像していなかった」60代で知った楽しさ 若い頃は28~32歳くらいを大人と思っていた
──今回のアルバムでは、どんな音を追求したのですか?
横山:昨年はカバーアルバムのリリースのみだったので、アイデアのストックがたくさんありました。だから、せきを切ったようにいろんな楽曲が生まれて、その勢いのままアルバムが完成していったという感じ。なので、コンセプトとかはなくて、2022年仕様のクレイジーケンバンドをそのまま表現した作品と言えますね。
時間の持つ儚さ、人とのつながりや温もりの実感
──CKBらしいスウィートでソウルフルな旋律を保ちながらも、モダンな雰囲気も漂う印象でした。
横山:例えば、コンビニで働いている外国人に恋をしてしまうとか、現実にあるような物語をモチーフにしながらも、幻と現実の狭間を漂う感じ。過ぎてしまった時間は、あっという間に「過去」になってしまう。それが放つ、儚さや美しさを留めた楽曲を収録できたように思います。
──ここ最近の社会が失っていた、人のつながり・温もりも伝わってきました。
横山:「ステイホーム」が続いた2年でしたからね。そういう思いが自然に強くなっていって、人と触れ合うという、これまでだったら何でもない出来事が実は大切であるという実感がこもった楽曲が多くなったのかもしれません。