あらびき団が「ゴールデンに向かない」納得理由 TBSの過去番組と比較することで見える秀逸さ

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番組初となる2夜連続で放送(©TBS)

『あらびき団』(TBS系)がゴールデンから深夜帯に戻ってきた。8月2日、3日に2夜連続で放送された今回は、総勢31組の中から、1夜目と2夜目で王者を2組決定する「真夏の最強パフォーマー決定戦」を開催。見事優勝に輝いたのは、若手コンビ・スパイシーガーリック(1夜目)と地下芸人・スルメ(2夜目)だった。

『あらびき団』は、粗削りでユニークな芸風を持つ芸人たちが、短い時間でコントや一発芸など、さまざまなパフォーマンスを披露し、番組MCの東野幸治(ライト東野)と藤井隆(レフト藤井)が突っ込みを入れていくネタ番組だ。2007~2011年まで深夜帯でレギュラー放送されており、現在は不定期でスペシャル番組として放送されている。

深夜番組の印象が強い『あらびき団』だが、今年2月には番組初となるゴールデンスペシャルも放送された。そこには、かつて番組に出演していたかまいたち、マヂカルラブリー、シソンヌに加え、2021年のM-1王者の錦鯉といった豪華なメンバーが揃った。しかし今回の2夜連続では、レギュラー時のようにお茶の間での知名度が高い芸人はあまり登場せず、番組が持つポテンシャルを改めて発揮したと言える。

そもそも『あらびき団』には、東野幸治と藤井隆が結成した架空のサーカス団というコンセプトがある。粗削りな一芸を持つパフォーマーたちを募り、新たな団員を発掘すべく、オーディションを実施するという設定こそが番組の醍醐味なのだ。

この方向性は、深夜帯に非常にマッチしている。それと同時に、人気芸人ほど、番組では持ち味が発揮できずに存在感が薄まる、という逆転現象が起きる。あまりにも番組のコンセプトが秀逸で、タレントのスター性が、ノイズになるからだろう。『あらびき団』は、知名度がそれほど高くなく、かつ迷走するパフォーマーほど輝く、稀有な番組なのだ。

これまでもスター発掘番組はあった

これまでもTBSは、若手芸人のスター発掘番組を数々生み出している。例えば2005年4~9月には『ゲンセキ』が放送されていた。

番組MCはとんねるずの木梨憲武。この番組をきっかけにオリエンタルラジオが注目を浴び、一気に人気芸人への道を駆け上がった。そのほか、コンマニセンチ(2017年解散)、バッドボーイズ、プラスマイナスらも人気となった。また、フリー時代のTHE GEESEも『ゲンセキ』に出演していた。

同番組で選抜されたメンバーは、後続のコント番組『10カラット』(2005年10月~2006年3月)に出演。こうしたスター発掘番組から後続番組のレギュラーを決めるといった流れは、『新しい波』(フジテレビ)と同じシステムだ。ただTBSの場合は、『10カラット』が終了したのちに、『スイッチ!』(2006年4月~9月)を経てオリエンタルラジオの冠番組『オビラジR』(2006年10月~2009年3月)へと引き継がれた点で異なる。

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